西武ライオンズの松坂大輔選手のポスティング・システムに米ボストン・レッドソックスが5110万ドル、日本円に換算して60億円という値段をつけ、野球界のみならずプロスポーツ界の話題をさらっている。松坂大輔が果たしてそれだけの価値ある選手なのか、疑問を呈する向きがないわけではないが、現実に落札されたことは事実で、米ブッシュ大統領までが「日本経済にいい影響をもたらすだろう」とかつてテキサス・レンジャーズの経営に携ったことのある身だけに精一杯の皮肉で語ったほどだ。
松坂選手のポスティング・システムには米大リーグの4、5球団が応じた。西武ライオンズは当初、ひた隠ししていおたので、マスコミ各社は「多分、入札価格は予想外に低かったのだろう」と推測した。テレビには米大リーグに詳しい解説者が登場して、「松坂はもう投げすぎているし、メジャーは日本の中6日登板と違って中4日登板が普通で、松坂がそれに耐えられるか不安な面もある。市場価値は低くせいぜい10億円程度で、事によると西武ライオンズは認めないこともありうる」としたり顔に話す人まで現れた。ところが、そのうちに30億円、50億円という説が飛び出し、結果的には西武ライオンズの全選手の年俸の合計の2倍の60億円ということになった。
レッドソックスはライバルのニューヨ-ク・ヤンキースに奪われたくなかったのと、松井秀喜のヤンキース加入による経済効果がすでに80億円を超えているし、ボストンへの日本人ファンの増加を見込んで100億円出してもペイする、との読みがある、という。レッドソックスとの交渉のため米国入りした松坂の顔は底抜けに明るいし、自信に満ちている。米国ではこうした精神的なタフさが必要で、間違いなくある程度の活躍はできるだろう。
みんな承知のことだが、レッドソックスの払う60億円は松坂の懐には入らず、全額西武ライオンズにいってしまう。従って、松坂選手の年俸はこれから決められることになるが、おそらく5-10億円の間で決着を見ることになろう。複数年の契約になるので、総額100億円に届くかもしれない。
米大リーグのトップ選手でなく、昨日まで身近にいた選手が一挙に100億円を稼ぎ出すのだから、その衝撃は大きい。松坂選手が1人で稼ぎ出したのではなく、これまでの日本人選手の野茂であり、イチローであり、松井が大リーグで活躍してきた実績が100億円に結びついたのだ。
野球界はここ数年日本におけるスポーツの覇権をサッカーと競ってきた。ところが、ここへきてサッカーは相変わらずワールドカップでは歯が立たず、頼みの中田英寿も引退し、スター選手がいなくなった。そこへ松坂の100億円である。これで。野球への志向が一挙に高まることだろう。日本の野球界の地盤沈下がうんぬんされているが、それは巨人など一部のマネジメントが狂っているだけのことで、こと野球に対する関心は確実に上がっている。松坂が現実に右腕一本で100億円を稼ぎ出した、という事実は事実である。世の親が「うちの息子、娘もいずれ」と思い出さないとも限らない。たとえ、この先何十年も100億円稼ぐ選手が生まれなくとも、2006年のこの事実は松坂の名前とともに未来永劫に伝説として残ることだけは確かである。
この意味で松坂の100億円は画期的なことなのである。
松坂選手のポスティング・システムには米大リーグの4、5球団が応じた。西武ライオンズは当初、ひた隠ししていおたので、マスコミ各社は「多分、入札価格は予想外に低かったのだろう」と推測した。テレビには米大リーグに詳しい解説者が登場して、「松坂はもう投げすぎているし、メジャーは日本の中6日登板と違って中4日登板が普通で、松坂がそれに耐えられるか不安な面もある。市場価値は低くせいぜい10億円程度で、事によると西武ライオンズは認めないこともありうる」としたり顔に話す人まで現れた。ところが、そのうちに30億円、50億円という説が飛び出し、結果的には西武ライオンズの全選手の年俸の合計の2倍の60億円ということになった。
レッドソックスはライバルのニューヨ-ク・ヤンキースに奪われたくなかったのと、松井秀喜のヤンキース加入による経済効果がすでに80億円を超えているし、ボストンへの日本人ファンの増加を見込んで100億円出してもペイする、との読みがある、という。レッドソックスとの交渉のため米国入りした松坂の顔は底抜けに明るいし、自信に満ちている。米国ではこうした精神的なタフさが必要で、間違いなくある程度の活躍はできるだろう。
みんな承知のことだが、レッドソックスの払う60億円は松坂の懐には入らず、全額西武ライオンズにいってしまう。従って、松坂選手の年俸はこれから決められることになるが、おそらく5-10億円の間で決着を見ることになろう。複数年の契約になるので、総額100億円に届くかもしれない。
米大リーグのトップ選手でなく、昨日まで身近にいた選手が一挙に100億円を稼ぎ出すのだから、その衝撃は大きい。松坂選手が1人で稼ぎ出したのではなく、これまでの日本人選手の野茂であり、イチローであり、松井が大リーグで活躍してきた実績が100億円に結びついたのだ。
野球界はここ数年日本におけるスポーツの覇権をサッカーと競ってきた。ところが、ここへきてサッカーは相変わらずワールドカップでは歯が立たず、頼みの中田英寿も引退し、スター選手がいなくなった。そこへ松坂の100億円である。これで。野球への志向が一挙に高まることだろう。日本の野球界の地盤沈下がうんぬんされているが、それは巨人など一部のマネジメントが狂っているだけのことで、こと野球に対する関心は確実に上がっている。松坂が現実に右腕一本で100億円を稼ぎ出した、という事実は事実である。世の親が「うちの息子、娘もいずれ」と思い出さないとも限らない。たとえ、この先何十年も100億円稼ぐ選手が生まれなくとも、2006年のこの事実は松坂の名前とともに未来永劫に伝説として残ることだけは確かである。
この意味で松坂の100億円は画期的なことなのである。
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