鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

昭和天皇の心を踏みにじる輩

2006-07-21 | Weblog
 日本経済新聞が昨20日付けの朝刊で昭和天皇が靖国神社の参拝をしなくなったのはA級戦犯が合祀されているからだ、との特ダネを一面トップで報じた。昭和天皇が亡くなる前年の1988年4月28日付けの天皇発言メモを当時の宮内庁長官、故富田朝彦氏が残していたことが判明した。昭和天皇は靖国神社を戦後8回参拝しているが、A級戦犯が1978年10月に合祀されて以来、一度も参拝しなかった理由がこれで初めて明らかとなった。昭和天皇はA級戦犯の合祀を「極めて不快」とし、「それが私の心だ」とも言った、とメモされている。現平成天皇もその意思を尊重してか、1989年の即位以来、靖国神社には参拝していない。これに対して20日夕、小泉首相は「心の問題だ」とまたぞろ禅問答のような馬事東風の受け答えで、注目の自らの8月15日参拝に対しても「影響ない」と言い切った。昭和天皇の御心を踏みにじるような発言は戦前なら不敬罪に相当する、日頃こうしたことにうるさい右翼がよく黙視しているものだ。8月15日を前に小泉首相の暗殺が起きても不思議ではない。
 日経の特ダネは最終版にぶち込んだもので、朝毎読三紙いずれもが即夕刊一面トップで追いかけた。新聞業界では直近で一面トップで追いかけられる記事を特ダネと称し、社内で表彰されることになっている。おそらく社長賞となり、秋の新聞協会賞でも表彰の対象となるのは間違いないところである。
 昨日の朝は、記事を見て、一瞬毎日新聞か、と思ったほど、経済紙の日経にしては思い切った紙面づくりをしていた。こうした社会ネタが一面トップにいくのは日経としては極めて珍しい。時節柄、政治がらみとなっているうえ、9月の自民党総裁選の争点ともなっているからでもあろう。中国、韓国との外交もからむ国際ネタでもある。
 日本経済新聞社は今年2月の広告部員による株式インサイダー取引問題で、東京地検の立件待ちで、内容によっては経営幹部の責任を問われかねない状況とあんっている。そうした時期に時の権力に毅然たる報道姿勢を見せたわけで、ここはジャーナリズム精神を発揮した感がある。
 しかし、肝心の小泉がおよそ天皇を敬う心を持たないのでは折角放った一矢が敵の心臓を射抜くか、と思いきや、外れてしまうのではがっかりである。こんな輩に5年間も日本の舵取りを任せていた、と思うと本当に情けない。一国を見るにリーダーの人となりをみればわかる、というが、日本のいま、行く末は小泉を見ている限り、暗いし、希望はない。
 もう。これ以上、国際社会で日本の恥をさrしてほしくない。自民党総裁選を前倒しでやって、さっさと退陣してほしいものだ。
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1 コメント

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なぜこの時期? (346)
2006-07-23 12:01:42
昭和天皇のことばとされる内容には共感できるものがあります。でもなぜこの時期に? タイミングが良すぎやしないでしょうか。 いろんな立場の人が政治的に利用しようとするでしょう。その結果、また日本人は戦争と責任を総括する機会をうやむやにしてしまいそうな気がします。
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