prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「コーラス」

2005年05月19日 | 映画
子供たちの悪さが予告編などで予想していたよりずっとすごい一方、校長の頑なさも憎たらしい。その間で、マチュー先生が必ずしも初めから子供たちを善意しようというのではなく、とにかく行き場がないので忍耐しているうち(大した忍耐力!)突破口を音楽に見出すという感じで、甘すぎず辛すぎず、微妙にぶれ続ける。
ありきたりなようで、緊張感が途切れないバランス感覚。
見ようによっては、「新学期・操行ゼロ」以来のフランスの悪ガキ映画の流れの上にあるともいえる。

徹底して男の子ばかりで固めたのもいい。
女の子を混ぜたら、“男の子”の集団の話になって「天使の顔をした悪魔」(あるいはその逆)
の話にまではならなかったろう。
猥歌を歌ったりして、唯一セクシャルな要素を持ち込んだワルが最後まで救われないというのも、何か暗示的。

しかし毎度のことながら音楽の力は大したもので、悪ガキたちがなついていくのが不自然に見えない。
背景になる校舎の古めかしくて荒廃した感じを出した美術も見事。
(☆☆☆★★★)



コーラス - Amazon


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。