prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブライド」

2012年06月04日 | 映画
ボリス・カーロフ主演の「フランケンシュタイン」の続編「フランケンシュタインの花嫁」のリメークで、正編をすっとばしていきなり続編をリメークするというのも珍しい。
冒頭、すでに男のモンスター(人造人間)はできていて博士の傍らにいるから、仮に「フランケンシュタイン」の物語を全然知らなかったら何だかわからないだろう。

女の人造人間を作ろうとしてお約束通り事故が起こり、男のモンスターは放浪して出会った小人とサーカスに入ったりし、女の方は博士と怪しい関係になってくる。
男のモンスターは原典に近くて知性があまりなく、女の方は「マイ・フェア・レディ」(「ピグマリオン」)のように博士からどんどん知識を吸収する。
それをカットバック式に見せる構成がかなりまだるっこい。

しかし、これはメアリー・シェリーの原典から言えることだけれど、人造人間が知性を持っているというのは相当にムリがあるように思える。ロバート・デニーロ版でも人造人間に知性があるようにしていたけれど、人造人間を扱ったら人間性とは何かという問題に行き当たらざるをえなくて、そうなると知性というのはごく表面的な部分でしかないので物足りなく思える。
原作が書かれたのは1818年だから、まだ人間の知性というのはかなりの程度生まれながらに持っているものだと思われていたのではないか。
(☆☆☆)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。