prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「窓・ベッドルームの女」

2020年05月27日 | 映画
社長夫人のシルビア(ユペール)が愛人関係にある建築家テリー(スティーブ・グッテンバーグ)の部屋の窓から赤毛の男が若い女性を襲う事件を目撃する。
不倫を隠すためシルビアに代わりテリーが警察に通報するが、面通しするとなると、当然実際には見てないのだから犯人を特定することはできない。
その場に面通しに呼ばれていたのが、同じ犯人に襲われたことがあって幸い難を逃れたエリザベス・マクガヴァン。

警察の捜査が勝手にエスカレートして逮捕された男の裁判になり、証言台に立つことになるがウォーレス・ショーンの弁護士の巧みな弁論の前に大恥をかく格好で敗退する。
そのため警察の疑いはグッテンバーグに向くことになる。
このあたりのストーリーの組み立ては秀逸。

裁判に真犯人がそっと見に来ているのがまた巧みな趣向で、また犯人と目されるようになったグッテンバーグをしかしマクガヴァンは疑おうとはしない。
面通しの時に顔を合わせているのに全く反応見せなかったから犯人ではないと思ったという理由付けが、ここから二人の仲が深まるという経緯の付け方と共に面白い。

グッテンバーグの立場がまずくなるとともにユペールとの仲が冷え、手のひらを返して上流夫人らしい冷徹な態度になる演技は流石。

映画化もされた松本清張の「黒い画集 証言」みたいな話でもあるが、自分の保身の為に嘘の証言をするのではなくて愛人巣を作っていいとこ主人公のお人好しなところでもある。

後に LA コンフィデンシャルを撮るカーティスハンソンの出世作。リメイクされるという発表があった。






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