prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「明治侠客伝 三代目襲名」

2023年01月21日 | 映画
オープニングの真上からのアングルから捉えられた盃が交わされ太鼓が叩かれ神輿が出るまでの様式美からして圧倒的。
加藤泰独特の見事な構図美の連続の一方でずいぶんフォーカスが合わないボケ味を生かしている。
ローアングルが基本のせいか天井が作られている手のかかり方。

遠くに橋が見える川べりで女から鶴田浩二に桃を渡す愛情表現の情感。
その女の前で悪役とはいえ惨殺する姿を見せるむごさが痛切。

丹波哲郎のもっともらしい仲裁役がもうこれでもかというくらいもっともらしくて可笑しい。
藤山寛美のヤクザが拳銃をいやに手慣れた調子で扱ったりして目が笑っていない凄みを出しているのが意外。
悪役も全員、臭いといえば臭い芝居なんだけれど、シチュエーションと画作りの型ががちっとしているので浮かないでびしびし決まる。

鶴田浩二の関西弁がちょっと普通の(というのも難しいが)関西弁と違う柔らかい調子で、調べてみたら神戸出身でした。何が違うのか。





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