prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「十三人の刺客」

2010年10月10日 | 映画
予想されたことだけれど、爆薬を使ったり宿場の仕掛けに凝ったりして、オリジナルに比べて全般に派手、あるいはどぎつくなっている。じらしにじらしてクライマックスで爆発するオリジナルの構成に比べて派手な分かえって平板なのは今風。
稲垣吾郎のキ××イ殿様の造形が今風なのは割りとうまくいっている。
いくらなんでも十三対三百というのはムチャではないかと思わせて、リアリズム風なのと齟齬がある。

原作者が池宮彰一郎名になっている。が、オリジナルの脚本(池宮彰一郎こと池上金男)はもともとそのまま映画化したら四時間かかる長さなのを削りに削って二時間にしたものらしく、そのせいか脇のキャラクターが実はそれほど描きこまれていない。その他いくつか穴がある分、逆に工夫のしようもあって山の民とか四肢切断とかは、新作の脚本の天願大介の趣味っぽい(聞かなくちゃわかりませんけどね)。

あと、「四十七人の刺客」の基本的な構想がこれと同じなのもわかる。大勢が入り乱れているようで、実は一対一の知恵比べと対決なのです。

伊原剛志がガタイの良さと居合の腕を見せて剣の達人の役を好演。
松方弘樹が一人だけ昔の東映風の芝居をしている。
(☆☆☆★)


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