prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「永遠のマリア・カラス」

2003年09月30日 | 映画
劇中で撮影される設定のマリア・カラスのカルメン映画なんてあったっけ、と思ってると、その映画が封印されたというラストで、この映画全体がカラスの歌声を使ったマジックによる、贋のカラス映画であることがわかってくる。

うまいへたの問題でなくて他の人間でカラスを再現するなどできるわけがないので、ムリを意識される先に劇中映画の作り方を見せることで手品のタネを割っている感じ。オープニングでいきなりロックを鳴らして変に安っぽいタイトルの出し方をするのも、その線に沿っているのだろう。エンニオ・グルニエリの撮影にしてはいやにフラットな画調なのも。

封切りから随分になるのに整理入場させるくらい良く入っていた。エンドタイトルでカラスのアリアが流れている間、当然ながらほとんど誰も席を立たず。
(☆☆☆)


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