prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「THE MOON」

2024年07月21日 | 映画
韓国一国が開発した月探査ロケットが月に向かう間、太陽嵐を受けて機器は故障、三人の宇宙飛行士のうち二人までがEV(船外活動)中に事故死する。
それから残された一人が独断で月の上に立ち、隕石が降り注ぐ中着陸船を離陸させるが地球には帰れないとなると、ジェット噴射式のドローンを抱えて月面に降下、NASAの救助を待つという命が百個あっても足りない危機また危機を乗り越える。危機を次々と突破していく強引さとタフネスとツッコミどころ満載ぶりは韓国製らしい。

いったん現場を離れたメンバーが乞われて復帰するのは「アポロ13」、泣かせるのは「アルマゲドン」といったところ。
いくらなんでも倫理的許容範囲を超えているところはあって、そういうところに限って登場人物が揃って泣いていたりするのだね。

宇宙連盟(だったっけ)という8か国からなる合意による連盟というのが出てくるのだが、それらしいのを調べてみるとアルテミス合意という実在の合意が出てきた。
日本・アメリカ・カナダ・イギリス・イタリア・オーストラリア・ルクセンブルク・アラブ首長国連邦の8か国の代表の署名による月や火星の平和利用に関する合意だそうで、作中では8か国だが現実には当初の8か国のあと40カ国が署名している。t

この映画の製作国である韓国は実際には入っているのだが、映画の設定ではラストで入ることになる。
現実の宇宙開発では先頭グループのはずの中国は映画には全然出てこない。影もかたちもない。
アルテミス合意は宇宙の平和利用・たとえば月にある資源は南極同様どこの国にも属さないというタテマエで運用されていて、ここでもそれは踏襲しているがどうも表向きという感じ。