prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「セルラー」

2005年03月03日 | 映画
ストーリーがラリー・コーエンなので、公衆電話周辺に限った「フォーン・ブース」(では脚本担当)の姉妹編みたいなものかと思ったが、シンプルなワン・アイデアを細かいアイデアを膨らませて詰め込むやり方は、近頃珍しいB級らしい作り。
ムダに2時間を越す映画が多い中、上映時間1時間35分と聞くとそれだけで手を合わせて拝みたくなる。

階段の途中でちょっとでも動いたら電波が途切れそうになったり、バッテリーが切れそうになったり、トンネルに入りそうになって慌てて引き返したりといった、考えられるケースを次々と丹念に生かしている知恵の使い方がいい。

金魚鉢を壊して悪人の気を引き付けるシーンが終わった後、ちゃんと金魚が小さい容器に移されて生きているところを見せる(それも特に強調しないで)というあたり、芸が細かくて嬉しくなる。あまりムダに人が死なないのもいい。
イヤミな弁護士(アメリカ映画では、本当に弁護士のイメージが落ちた)が文句をたれている後ろでその車が盗まれる、横長のサイズを生かしたマンガ的な構図のおかしさ。
警察に頼れなくなる設定の仕方、事件の背景をビデオ映像で説明ぬきでわからせてしまう経済的な語り口。

クライマックスで誘拐された連中があまり絡まない、ややムダにドンパチやカーアクションが入っている、のは残念だが、CGや爆発のアトラクションをむやみと詰め込んだバカでかくて大味なステーキみたいな映画が幅をきかす中、きちっとできた定食みたいでほっとする。

ただ、これくらいの出来と作りの映画は、前は珍しくなかったのだが。
(☆☆☆★★)



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
好き かな~ (preston)
2005-03-04 16:30:53
オススメできる映画ですね~@今年のHITかも。
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R>prestonさま (prisoner)
2005-03-05 11:08:50
いらっしゃいませ。



規模からいったら、日本映画、いやテレビでも手が届く範囲で面白いものできるのですね。
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キム・ベイシンガー (worldwalker)
2006-01-16 16:32:54
キム・ベイシンガーはこの歳でこんなにキレイなのか。 キム・ベイシンガー作品では「トラブル IN ベガス」をオススメする。

http://moviessearch.yahoo.co.jp/detail?ty=mv&id=322387
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