prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「地下室のヘンな穴」

2022年09月11日 | 映画
ある家の地下室の穴を降りて行くとなぜか12時間経っていて、代わりに3歳若返る。
若返るのと時間を浪費するのとが同時に進行するわけで、若さに執着することで同時に時間を浪費している寓意であることはかなりはっきりしている。

もう一組のカップルの話があって こちらは男の方が電子ペニス(って何だ?)の移植を受けるという負けず劣らず変な話。
ともに大雑把に言って若返り、回春にまつわる人間の愚かさについての話ということでは共通している 。
原題はIncroyable mais vrai、信じられないけどホントとでもいった意味らしい。

予告編に既に出てしまってるから言ってもいいと思うのだが、 手の傷から蟻が生え出してる所ってかなりあからさまにブニュエルとダリの「アンダルシアの犬」っぽい。

電子ペニスの移植手術を行うのがなぜか日本人。 話している日本語はさすがに昔の欧米映画の日本人のそれとは違ってまともだが、ヘンなとこに変わりはない。どういう風に見られているのかと思う。

74分という上映時間そのものはありがたいけれど、欲をいうと短編でもつけてほしいところ。