prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「架空OL日記」

2020年03月21日 | 映画
原作もテレビドラマ版も見ていなかったので、冒頭当然OLが出てくると思ったら男のバカリズムが演じているのに、目が点になった。
夏帆が演じる女のOL(本来当たり前だが)が登場して練馬駅前(この場所設定がなんとも言えず芸が細かい)でやりとりしても、夏帆はごく当たり前に話していて相手が男が演じているのを何も気にせず、そのやりとり自体が日常的なようで細かいところにこだわりすぎて何かデフォルメされたおかしさが湧いてくる。

これはちょっと並々ならぬ世界観の作り方だなと思うと、その後も淡々とそのおかしさにキャラクターたちも作り手も何事もないかのように日記を重ねていく。

おかしいといっても、女装が可笑しいなどといった古ぼけたものではない。
ちょっと「家族ゲーム」から「ときめきに死す」の頃の森田芳光をもう少しナチュラルにしたような日常のデフォルメが続く。
グルメか美容かファッションかといったイメージとしてのOL像をあえてなぞってそれ以上新しいイメージを付与するようなことをしていない。
ラストの括り方の世界の歪みが一気に臨界を抜けるような不気味さも納得出来る。

何人ものOLが井戸端会議式に、それもしばしば物を食べながらおしゃべりする、のをフルショットで納め続けてナチュラルなままお芝居になりおおせているさりげない力量。

更衣室が頻繁に舞台になるが下着姿を見せない。ナマな肉体をさらすと男女差があからさまになるからでもあるだろうし、絵面として下世話になるのを避けたようでもある。




3月20日のつぶやき

2020年03月21日 | Weblog