prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「スキャンダル」

2020年03月07日 | 映画
テレビのキャスターといったら特にアメリカではとんでもない高給とりでエスタブリッシュメントの仲間とみなされるわけだろうけれど、実は案外と立場はもろくて本当のシステムの支配者にしてみれば歯車のひとつにすぎず、クビになる時はあっさりクビになるのがわかる。

昔は(今でもか)女優が性的消費の対象であると同時に女性が自前で収入を確保できる数少ない職業のでもあったという矛盾を、もっと大衆の面前でさらに巨大な額のマネーと知名度とで増幅した感がある。

ニコール・キッドマンやシャーリーズ・セロンがモデルになったキャスターにそっくりになったカズ・ヒロによる特殊メイクがアカデミー賞を受賞したのが話題になったが、元のキャスターの顔をよく知らないのが困る。

セクハラの背後には金髪長身とスタイルよしといった性的紋切型があるのだろうが、主演女優たちがそういったタイプにもろに当て嵌まるのが皮肉でもあるし、一方そういう人たちが声を上げたから「効果」があったとも言える。

ドラマとすると、主役三人が直接絡むところは特になく、ジョン・リスゴーのセクハラパワハラを居直った意識もなく行っている男を結節点にしていて、キャラクターの感情面より、セクハラパワハラとはどういうものか、どう証明するか、どう戦うかの具体面をスポーティに中継しているような作劇演出。




3月6日のつぶやき

2020年03月07日 | Weblog