prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「レッドムーン」

2019年10月17日 | 映画

原題はThe Stalking Moon(忍び寄る月)。ストーキングという言葉が今とは違う意味で使われている。

先住民にさらわれて息子を産んだ女性とその子をグレゴリー・ペック扮する保安官が「救出」して白人世界に連れ戻そうとするが、その「夫」の先住民サルバヘが妻子を取り戻そうと執拗に追ってくるサスペンス西部劇。

先住民がなぜ白人女をさらうのか、なぜ執拗に取り戻そうとするのか、という要の部分はおそらく微妙な問題や感情が絡んでいてはっきり説明されない。おそらく「捜索者」のジョン・ウェインのさらわれた姪を探し続ける執念と裏表の関係だろう。

公開当時は姿を見せない先住民をベトナム戦争での“ベトコン”のアナロジーと見る向きが多かったらしいが、ベトナム戦争はおろか第二次大戦より前に作られた「肉弾鬼中隊」は姿を見せないアラビア人の狙撃手に執拗に狙われる話だった。連綿と白人が持ち続けている異人種に対する感覚というか。

サルバヘをやっているNathaniel Narciscoという人はこの一作だけの出演、IMDbを見ても経歴も何もわからず。

「レッドムーン」 - 映画.com

The Stalking Moon - IMDb




10月16日のつぶやき

2019年10月17日 | Weblog