画面が「美しく」ない。
少しふらついているフレーミングや鮮やかさを避け、かといっていかにも色を殺してますといったほどではない色彩などおよそ画面を美的にしようとしていない(今のカメラだとどうかすると放っておいても綺麗に映ってしまう)で、しかもストーリーというか描かれる出来事がものすごく不快で、しかもやり返すカタルシスで解消しないように腐心している。
なかなかやり返さないし、いかにも準備不足・知恵不足だし、どうせならもって徹底的にやった方がよくないかと思ってしまうくらい。
脇の人物がまた全部いちいちどこかしら神経を逆なでする。
正直いうと不快すぎて見ていて先に映画自体に対する気持ちが覚めたし、やり返しても補える範囲を超えているのだが、やり返すのを誰が望んだのか、勝手に誰かのためにと押し付けないで自分のためだという点を絶対に外さない。
反感を買うのを承知の確信犯というか、見るものをわざと不快にするのがある程度目的になっている気がする。
いまどき大胆だなと思ったのは、金魚が死ぬのを映したところ。定番の「動物は傷つけたり殺したりしてません」表示がエンドタイトルになかった気がするけれど、動物愛護団体からクレーム来なかったのかな。