prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「娼年」

2018年05月14日 | 映画
これだけセックスシーンの前にそのたびにきちんとコンドームをつけているの見せる映画は珍しいのではないだろうか
コンドームをつけるのは避妊と性病防止の両方あるわけだが、性交する大勢の女性達を妊娠させないという気遣いの表現という感じがする。

これが例えば女性向け AV だとコンドームの装着についていってどんな具合に描いているなのだろう見たことがないから分からないが、気になった。
また場内の大半を占めていた女性客にはどう映ったのかも。

あれだけ大勢の女性を相手にしているのに、カサノバやドンファンと言った漁色家の印象が全くと言っていい位ない。
しきりと「普通」の男の子と形容されるし、松坂桃李はイケメンにも関わらず一方で常識の範囲をいい意味で逸脱しない。

テレビやグラビアで見られるようなつるつるした若い女の子たちとはまた別の、経験を積んだと言うか年輪を重ねたというか、あるいはとうの立ったいわれるような女優たちにそれぞれに役としても芝居としても性的見せ場を用意しているのは近頃の日本映画では珍しい。

役者たちによっては、ずいぶんリスキーなシーンを逃げずごまかさず演じおおしたのは立派。

少し気になったのは性器を指で激しく摩擦するのが実際には痛くてかなわないというAV 女優の発言を見たような気がするので、あれでいいのだろうかと思ったこと。

ラストがちょっとあまりも綺麗にまとまりすぎているのが欲を言いたい気もする。

撮影・美術がすこぶるシャープ。都内のさまざまな場所に出没するのにいちいちタイトルで示すのが土地勘を刺激する感じ。

主人公の大学生が最近珍しい本棚に本をびっしり埋め、エロスに関する哲学書(「パイドロス」)を愛読しているといった設定が珍しい。
(☆☆☆★★)

「娼年」 公式ホームページ

「娼年」 - 映画.com

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5月13日(日)のつぶやき

2018年05月14日 | Weblog