prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「リズと青い鳥」

2018年05月21日 | 映画
「リズと青い鳥」というタイトルがついているのは、作中の吹奏楽部が演奏する音楽と岩波文庫(はっきりそう特定されている)に収録されている小説がそれぞれあって(本当にそういう小説や音楽があるのかと思わせる、すごくもっともらしい調子)、本筋の女子高生二人のストーリーが小説のキャラクターに投影されるのと曲のフルートとクラリネットの演奏の掛け合いがうまくいくかどうかという次元の違う位相を行き来するという、ずいぶん実験的といえば実験的な手法をとっているが、全体とするとまったく晦渋さを感じさせず情感と詩情に富んでいる。

女の子の仲良し同士というのはなんでああいつも一緒なのだろうと思わせるところがあるけれど、それがだんだん分かれていくのが思春期の自我の眼覚めのドラマになっている。
親離れや恋愛がらみという形の眼覚めはありがちだが、同性同士の仲良し関係からの巣立ちというのは考えてみると珍しく、およそ男の監督には手の出ない領域ではないかと思う。

ほとんどの場面が学校で終始し、床の上の足だけの画像とかカーテンの前に立っているだけとか、間(ま)を生かした(ちょっと眠くなるところもあったが)何か言いたいけれど言い出せないでいるもどかしい感じを丹念に形にしている
(☆☆☆★★)

「リズと青い鳥」 公式ホームページ

「リズと青い鳥」 - 映画.com

本ホームページ

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