prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「レヴェナント:蘇えりし者」

2016年05月17日 | 映画
生きるか死ぬかのぎりぎりの描写で全編を貫いていて、特に熊に襲われるシーンのリアリズムなど超絶的。
もう吉村昭の「羆嵐」とか「シャトゥーン ヒグマの森」あたりも映像化できるな、と思わせる。(もっとも何より先端技術と表現意欲とが合致して"初めて"ああいうかつてない表現ができたわけで、これからなぞっても仕方ない感はある)

全体にディカプリオの主人公の主観に密着していて映像の体感性が凄いのだけれど、接近したサイズの短焦点レンズの映像が2時間半続くとちょっとしんどい。たまに大ロングの画がはさまるとほっとする。
ディカプリオは体を張った大熱演(といっても川を流されるシーンなどは合成だろうと余計なことを考えてしまう)で、結果としていいタイミングでオスカー受賞になったと思う。

もろタルコフスキー、といったカットが結構目立つ。オープニングの親子が眠っているのを俯瞰移動で捉えたカット(「ストーカー」)、水に浸った森(「僕の村は戦場だった」ほか)、服の下から鳥が飛び立つ(「ノスタルジア」)、廃墟と化した教会に立つ黒焦げの木(「アンドレイ・ルブリョフ」)、などなど。

先住民も白人も同じように野蛮で残忍、というのは説得力がある。最近読んだ「捜索者: 西部劇の金字塔とアメリカ神話の創生」でも先住民(といっても言葉も習慣もばらばらでひとくくりにはできない)の野蛮さ残忍さについて詳述されていて、定型化したポリティカル・コレクトネスをくぐり抜けた地点に来ているなと思わせる。
(☆☆☆★★★)



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レヴェナント:蘇えりし者|映画情報のぴあ映画生活

映画『レヴェナント:蘇えりし者』 - シネマトゥデイ

5月16日(月)のつぶやき

2016年05月17日 | Weblog

【本棚登録】『街道をゆく 6 沖縄・先島への道 (朝日文庫)』司馬 遼太郎 ln.is/booklog.jp/ite…


最近知ったけど『007は二度死ぬ』で巨漢の用心棒を演じたピーター・メイビアってロック様のおじいちゃんなんだね。確かに似てる! pic.twitter.com/VIFwACK7OW

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本日発売の『週刊プレイボーイ』は、拙著『日本会議の研究』著者インタビュー!僕へのインタビューはまあいいんですけど、圧巻なのは「一群の人々」の雁首ズラーッと並べたこの構成!これは素晴らしい!編集部、すげー根性だ。 pic.twitter.com/oBSB9g1hDs

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昨日ブリリアショートシアターに行くために久々に横浜駅からみなとみらいまで歩いたのだが、相変わらず開発途中で投げ出されてしまった広大な空き地が点在し荒廃した未来都市感があった。幕張のようになる前に景気が悪くなったのが原因なのだろうか。ディストピアな場所としてはロケ地に推薦出来る。

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『マタンゴ』
ウィリアム・ホープ・ホジスンの原作を読んだのは、映画観てだいぶ経った後だったが、全然違う話なんだよね。でもあの短編をこれだけ上手に膨らませたのは、星新一と福島正実の功績。邦題もインパクト充分。
#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/Sd5CPWPxc0

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逢引き #1日1本オススメ映画 駅での別れを一度は表面的に、それからそこに至る経緯を突っ込んで描き直し、一見すると平凡な主婦が死に至りかねないくらいの激情を抱えているのを分からせる見事な技巧。最近の「キャロル」でも引用されてました。 pic.twitter.com/gb6RmwR8pS

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国民より伊勢志摩サミットの方が大切?福島第一原子力発電所の作業停止の理由は謎 ln.is/oshidori-makok…


【New!】「物件借りたら映画館だった」 千葉のサラリーマン、秋田で館長になる
buzzfeed.com/hikaruyoza/ona… pic.twitter.com/jl4k9rQ2kh

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多文化主義はアメリカが持つ偉大な一面だと思う。ただ、アメリカの発展というのは、リベラルで科学的で洗練された考え方が、宗教右派が持つ時代遅れで不適切な考えを押さえ込んできた歴史だ。

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尾高忠明&N響が武満徹の「波の盆」を演奏したり、バッティストーニ&東京フィルがニーノ・ロータの「道」を取り上げたり、ドラマや映画の音楽が普通にオケの定期演奏会で演奏されるようになったのはいいことだと思う。

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蜷川幸雄は渡辺謙主演の「ハムレット」を朝日新聞に酷評されたのに激怒してマジで壁新聞作って反論していた。よく本気で怒る人だったなあ。 #daycatch


BBCニュース - マンデラ氏の1962年逮捕、米CIAが情報提供 英報道  ln.is/www.bbc.com/ja… 日本にもマンデラをテロリスト呼ばわりする人間いたな。


最近GyaOで70年代のゴダール映画をまとめて配信したけれど、実態知らなかったにせよフランス左翼の文化大革命へのシンパシーっていうのは今見るとかなり妙な感じがする。フランスでも5月革命をやってたわけだけれど。 #ss954


王朝が変わるたびに前の王朝の文物を根こそぎ滅ぼして今の王朝の正当性だけ認めさせるわけで、だから通史としての中国史はあまりなかったりするそうです。講談社の「中国の歴史」がすごく売れたのもそのせいらしい。 #ss954 twitter.com/muridesune/sta…


毛沢東が大躍進政策ってので大量に餓死者出したのが前提。子供が乗るくらいやたらと稲を密集させて植えたから(しかもそれを誇らしげにプロパガンダに使ったりした)空気が通らなくて枯れたとか。 #ss954


小規模な溶鉱炉ではちゃんとした鉄はできない、と批判した日本の学者が反革命扱いされたというとばっちりもあったらしい。 #ss954


文化大革命を扱った映画というと、芙蓉鎮 子供たちの王様 覇王別姫 活きる 妻への家路 など、結構あります。芙蓉鎮は本国でのべ一億人を動員したという途方もない大ヒットだったそうで、必ずしも描くのを禁じられているわけではないみたい。 #ss954


造反有理から愛国無罪へ。 #ss954

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日中国交正常化交渉していた時期って、もろに文化大革命とだぶってるのね。 #ss954


ちばてつやの「屋根うらの絵本かき」でちば一家を助けてくれた徐集川氏が文革の時漢奸(対日協力者)として吊し上げをくい、首にかけられた自己批判の札の紐が肉に食い込んで死ぬまで消えなかったという話を、NHKの「世界わが心の旅」でやってました。 #ss954

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張芸謀は文革で下放されていたけれど、父親が国民党兵士で職につけず子供の時滅茶苦茶に貧乏だったせいか、全然苦痛ではなかったと言っております。#ss954