prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「きっと、星のせいじゃない。」

2015年03月02日 | 映画
死病と闘う若者たちをダシにした催涙映画ではない、ヒロインが途中で切れている小説の続きを何としても知りたいとなんとアムステルダムに行くという寓話的なかたちで表現されている名もない平凡な人間は死ねば何も残さず消えさってしまうという事実にどう耐え対応するか、生きる意味について触れている。それも重苦しくならず、ユーモアとウイットにくるんで。

初めのうち何万年かすれば人類全体が消えてしまい、モーツアルトだろうがモハメド・アリだろうが記憶から失われる、と初めのうちヒロインが死病にとりつかれた若者たちのサークルでちょっとふてたように言う。その通りには違いないが、もちろんそれは救いにはならない。
では何が支えになるかというと、たった一人と愛し愛される関係が作れるだけでいいという、言葉にすると軽くなることだが実感とすると大事なことを描けている。
自分がいなくなった後どうするのか母親が考えていることを知ったヒロインがむしろ喜ぶというあたりにも、感情に溺れない知性が窺える。

「ファミリー・ツリー」でジョージ・クルーニーの娘役をやってブレイクしたシャイリーン・ウッドリーが好演、キャリアにとっては二段目のロケット発射といった感じ。
全編酸素吸入用のカニューラをつけっぱなしというヒロインも珍しいが、それだけにくるくる動く瞳の表情が印象的だし、外した時の美しさが目立つことになる。

世界的にSNSによる口コミが効いてヒットしたらしいが、だからといって始まる前はともかくエンドタイトルの後でまでSNSに投稿しようと呼びかけるのは興醒めです。

それにしても、アメリカでどれくらいの若い重病患者に対する私的支援機関があってどんな活動をしているのだろうと、その点は気になった。公的保険がないから医療費がべらぼうな額になるという話をこのところ集中して聞いていたので。
(☆☆☆★★★)


本ホームページ


「きっと、星のせいじゃない。」公式ホームページ

きっと、星のせいじゃない。@ぴあ映画生活

映画『きっと、星のせいじゃない。』 - シネマトゥデイ

3月1日(日)のつぶやき

2015年03月02日 | Weblog

人生は芸術を手本にしない。質の悪いテレビ番組を手本にするんだ。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | 13 RT

「ゆきゆきて、神軍」#日本のオススメの戦争映画 戦争そのものもだけれど、戦後こういう具合に戦争責任を追及し続けた人間がいたことも忘れてはいけないと思う。

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「拝啓天皇陛下様」 #日本のオススメの戦争映画 野村芳太郎監督はしれっとして天皇の戦争責任の問題を扱ったつもりはありませんと語っている。ウソですよ。善良で愚かな陛下の赤子である渥美清が徴用じゃあと鶏の首を刎ねる一瞬に見せる日本鬼子の顔。

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トーマス、信用されてないんですねって、あたりめえだ。 #ダウントンアビー