まだソ連があった頃、その一部だったグルジアの映画として公開された一編。今ではロシアとグルジアとはまったく違う、というよりもろに対立しているので今昔の感。
強烈な民族色と、正面から人物を平面的に並べる構図など、ピロスマニの絵の再現ともとれるが、セルゲイ・パラジャーノフと共通するセンスも感じる。
批評家がピロスマニの作品をボロカスにけなすと、一般人まで一斉に村の恥みたいな態度になるあたり、何やら作者の含むものを感じる。
美術監督だった アフタンジル・ワラジを主役に抜擢、地でやっているのだろうと思うが、まことによく生きるのに不器用な画家の感じを出している。