prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ブッシュ」

2009年06月06日 | 映画
この映画のジョージ・W・ブッシュは、なんかほとんどのシーンで何かしら食べたり飲んだりしている。それもアメリカ的にチープな食べ物か、アルコールかだ。ホワイトハウスで、ものものしい銀の盆に入れて持ってきたのがサンドイッチで、しかもチェイニーの食べ残しに手をつけたりする。まことにお行儀が悪い。フロイトの言う口唇期というのか、でっかい子供という感じ。演じるジョシュ・ブローリンは口に物入れながらセリフを言わなくてはいけないわけで、なかなか大変。

ブッシュ・ジュニアのフャザコンぶりがドラマの核になっているわけだけれど、それほどブッシュ・シニアって立派な大統領だったっけという気はする。立派なイメージは息子の思い込みにすぎないのではないか。すでに政治家としては二代目だったわけだし、父親に対するコンプレックスの再生産といったドラマ作りもできたと思うが、彫りの深さをオリバー・ストーンに要求してもムリか。
扮するジェームズ・クロムウェルは、「24」シーズン6でジャック・バウアーのとんでもない父親役をやっていましたね。

伝え聞くブッシュのバカさ加減や宗教右翼との結びつき、弱者に対する無神経ぶりを十分に描いているかというと、はなはだ物足りない。「なかったこと」にするには、被害が大きすぎる。
(☆☆☆)


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