prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シルク」

2009年06月05日 | 映画

絹のもとである蚕の卵を輸入するために日本に来るイタリア商人の話だけれど、どの程度史実なのかなとは思った。
何も十九世紀の日本から蚕の卵を輸入しなくても、六世紀の半ば、ペルシア商人が中国に潜入し、カイコの卵を杖の先端に隠して、ひそかにビザンツの宮殿にまで持ってきて、糸を取りだすことに成功している。何でまたこの時期に、と思うし、ラストでいきなり幕末だったことを思い出させるのもどんなものか。

日本女性のエキゾチックな描き方が、未だにというべきか「将軍」的なのはひっかかる。
中谷美紀が西洋にいついた日本人という、当時とすると強引な設定で登場するが、ゴージャスな洋風衣装の着こなしなどかえって違和感は薄い。
例によって、というべきか、どこの国の人間も英語をしゃべっている。変なの。
(☆☆☆)