prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「コースト・ガード」

2009年05月07日 | 映画

北朝鮮からの侵入者を警戒している韓国の湾岸警備隊の兵士の一人が、必要もないのに迷彩のメイクを施したりしてオタク的に臨戦態勢を気取っていて、警戒地域に紛れ込んできた近隣の若者のカップルのうち男の方を不用意に射殺してしまう。
生き残った女の方とともに、殺した兵士の側も精神に異常をきたしてくるのみならず周囲の兵士たちにも狂気が伝染していくあたり、独特の飛躍の積み重ねとともにキム・ギドク監督作らしく、分断国家を扱った政治的な色彩は直接的にはあまりない。

兵士たちの尻取りなどの遊びが何度も描かれたり、警戒地域だというのに民間人が紛れ込んだりと、意外とたるんだ感じ。
ラストは先読みできるところと、飛躍しすぎて釈然としないところが混ざっている。

主役がチャン・ドンゴンというのは意外のようだが、「タイフーン」もそうだが案外狂気がかった役やりたいのかもしれない。
(☆☆☆★)