prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「Maxed Out」

2009年05月12日 | 映画

アメリカのクレジットカード地獄を扱ったドキュメンタリー。
東京MXテレビでこの四月から始まった「町山×松嶋の未公開映画を見るTV」枠で放映されたもの。長編ドキュメンタリーを日曜午後十一時からの一時間枠で二回、前後編で放映して、番組の前と後、それから中頃に町山智弘の解説を松嶋尚美がボケとツッコミを併用して聞くという変則的な編成。

なんでもTBSラジオでこの三月までやっていたストリーム(週一のコラムの担当がアメリカ在住の町山氏)の愛聴者だった水道橋博士が口きいてこの枠に押し込んだとか。同番組で紹介していた日本で公開されないタイプの映画をやろうという趣旨。
インターネット放送でやっていたやはり水道橋博士がホストの「博士も知らないニッポンのウラ」も、TVK・MXテレビとローカル局ながら「博士の異常な鼎談」としてそのまんまの体裁で移動したし、こういうのを「放送とネットの融合」っていうのかな。ちなみに両番組とも、スポンサーにして著作権を持つのはSONY MUSIC。
デジタル放送だと東京でこういうローカルが見られなくなるので、完全移行は見合わせている。

ブッシュ政権が破産法を改正して、定収のある人は破産もできないでずうっと利子を払い続ける、老後の年金からも天引きされるようになる、というまるっきり闇金のやることを大手の銀行とクレジットカード会社がやっているというえげつなさ。死ぬまで借金から逃れられないわけで、そのため子供が自殺したという老婦人が二人並んで出てきたのには、ちょっと絶句した。
それで返せない人間は神から盗むに等しいと説教するキリスト教原理主義の牧師なんて出てくるのだから、むちゃくちゃ。

アメリカという国自体が借金まみれで、なんと100年前の借金を返しきれないでおり、サブプライムローンの借金が10兆ドルっていうのだから、松嶋じゃないけれど、「バカだねーっ」といって笑うしかない。日本も当然、対岸の火事ではいられないし、笑い事じゃないのだけど。