prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「鏡心」

2008年08月11日 | 映画

3Dサウンド版っていっても、話半分の売り物だろうと思って見て(聞いて)凄いのでびっくり。音の使い方だけに限ったらタルコフスキー・クラス(題名からして、タルコフスキーの「鏡」を意識しているのではないか)。
特別高級なシステムで聞いているわけではないのだが、特典映像でむしろコンパクトな家庭用システムの方がホールよりいい音声を出せるかもしれないとミキシング担当者が語っていた。

同じ特典映像で、基本的にはMacのG5で普通に使えるソフトしか使っておらず、特別なソフトは使っていない(実はハリウッドだって同じものを使っている)とはいえ、センスとコツというものは当然ものをいう。確かに比べて聞いてみると、明らかに違うのだから、不思議なもの。
カメラは35万円、スタッフは5人と、完全に自主制作スタイルなのに、映像と音響のクオリティはここまでできるものかと思う。もともと自主映画出身の石井聰互としたら、原点に帰ったとも言える。

もっとも、映画そのものはあまり感心しない。風景撮っている時はいいのに、人間が出てくるとがたっと緊張が緩む。
(☆☆☆)