prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ファインディング・ニモ」

2004年01月15日 | 映画
オープニングでニモの母親と大半の卵が食べられてしまう(画面には出さないが)というのは、けっこうショッキング。潜水艦や機雷が錆びているのに機能は生きていて爆発する無気味さ。CGで人間を描くとしばしばグロくなるのだが、ストーリーの上でも人間は仇役ぎみ。悪ガキが歯にブレースをしているというのは、「トイ・ストーリー」でもやっていた。

水の透明感や差し込んでくる光の表現が見事。次から次へと立ち塞がる障害を乗り越えていく知恵の絞り方、ストーリーとキャラクターの練り方など、アメリカ映画の良さが出た。ただ、父子ともにそれほど性格が途中で変化するわけではないので、キャラクターの立体感は乏しい。

日本語吹き替え版で見たのだが、文字は全部日本語にしないで、英語をかなり残している。
出てくるサメの名前が“ブルース”というのは、もちろん「ジョーズ」の撮影に使われた機械仕掛けのサメからとったものだろう(さらに元をただせばスピルバーグの弁護士の名前)。「サイコ」の音楽の断片が出てくるが、ちゃんとエンドタイトルに記載されている。

併映のCG短編「ニック・ナック」のエンドタイトルに“この映画はすべてロケーションで作られました”とつく洒落。