WALKER’S 

歩く男の日日

34日目=雲辺寺も越える

2016-05-29 | 16年四国の旅

 15時56分、雲辺寺の下、青空屋に到着しました。今回の旅で一番長く歩く日でしたが、16時までにというこだわりは守りたかった。てもやはり最高峰、容易ではありませんでした。
 と、その前に昨日書き残した宿での話。松屋の同宿は前日小松てもいっしょだった愛知県の谷澤さん。小松では10人もいて、それぞれのグループで話が弾んで、ぼくは一切話には加わりませんでした。ただ連泊の3人が遅れて朝食をとっている時に、今日松屋まで行かれる方はいますか、と尋ねると、谷澤さんがぼくは松屋ですと答えてくれたのでした。結局松屋では同宿は谷澤さんだけで話も充分出来ました。その中で、彼が食堂にスマホを持ってきていたので、ぼくのページを紹介すると意外な反応が、これ2枚の印刷になっていませんか?彼はすでにぼくの遍路宿情報を持っていて、すごく参考にさせて貰ってますと、満面の笑み。聞くと、旅館吉野で同宿に なった逆打ちのお遍路さんがそれを持っていて、すぐコピーさせてもらったそうです。ぼくは逆打ちの人に渡した記憶はないから、おそら
くときわ旅館でもらったのでしょう。ときわ旅館で配って貰っているだけでも有難いのに、このようにもらった人がまた別の人にという広がりは本当にうれしいことです。
 ここからは今日の話。予報に反して朝から雨、でも大した降りではなく歩きには全く影響はなくむしろ昨日より涼しくて歩きやすいくらいです。それも歩き始めて2時間くらいで上がってしまいました。遍路分かれの少し手前のヘンロ小屋まではベストタイ、そこから三角寺までもベストタイで文句のないたちあがりです。三角寺には上がらず階段の登り口で休んでいると歩きの男性がやって来ました。少し手前の舗装道を歩いている時に下の林の中の遍路道から鈴の音が響いていました、その人に違いありません。大きな荷物なので野宿かと思いきや、今日の宿は民宿岡田、いま9時半であと14㎞だから楽勝です。岡田にはいつ予約を入れましたかと訊くと、4日ほど前、さすがにこの時期ともなると毎日満室ということにはならないようです。スマホで写真を撮っていたので検索ワードを教えてぼくのページを紹
介、ここまで来るともう大して役には立たないけれど、まあ挨拶代わりです。三角寺からの歩きもすこぶる快調で、40日前はこうはいかなかったよなぁ、としみじみ振り返る場面もありつつ、何とかベストタイで椿堂に到着です。椿堂でお参り、長めの休憩をとって出発したのは11時17分、雲辺寺まではベストで2時間40分はかかるからそんなに余裕のある時間ではありません。境目峠の登り口まではベストより1分ほど遅れました。国道はずっと緩い登りでかなり汗だくで動きもやや重かったようです。バス停で少し休んで、登り始めるとやはり動きは良くない。いってもすでに28㎞は歩いているわけだから、溌剌と登れる方がおかしい。ても峠からはフラットな山道が続くので再び元気を取り戻します。この道は本当にいい、ても通るお遍路さんはきわめて少ない。残念至極、これから好きな遍路道はと問われたら、この境目峠から曼陀峠までのフラットな山道だと答えることにしましょう。
 結局曼陀峠の手前の合流ポイントまではベストタイでした。てもその後が大変、いよいよ疲
れが溜まってきたのか栄養が切れたのかいつもの雲辺寺とは全然違ってヘロヘロでした。途中何度も立ち止まって呼吸を整えてそれでもベストより6分も遅れてしまいました。山門すぐ手前でお参りを終えた歩きの男性とすれ違います。どちらが下り口かと探す素振りだったので初めてに違いありません。この人は下りの山道で追い抜いたのですが、すごくゆっくり、青空屋さんにも泊まらなかった。おおひらに着くのは6時近くになったかもしれません。もう一人女性を追い抜いたのですが、こちらは同宿で15分ほど後に到着しました。青空屋さんは評判は聞いていたけれど本当にいい遍路宿です。間違いなくベスト5級のお宿です。夕食後もコーヒーをいただきながら楽しい語らいがあって最高でした。