WALKER’S 

歩く男の日日

近畿大学吹奏楽部 第40回ポップスコンサート

2016-05-03 | 演奏会




 四国の旅の途中ですが、一旦カテゴリーを離れて昨日の演奏会の報告です。
 演奏会の昼の部は14時からだったのですが、その前にグランフロント大阪で「今を描く浮世絵」展があったので、そちらを先に見てきました。富嶽三十六景が全部刷りたてのきれいな色彩で見られたのが先ずうれしいことでした。江戸時代に刷られた本物を何枚か見たことはありますが、浮世絵の本物はどうしても色落ちが激しいので、現代に刷られたものの方が本物に近い色彩で楽しめるという、逆転の現象が起こります。そして、先ず、引きつけられる鉄腕アトムとリボンの騎士とブラックジャック、40000円の値段が付いていたこの3枚だけが売り切れの札が貼られていました。40000円ならぼくだってほしくなります。もちろん手塚治虫の直筆ではないのですが、手塚プロ監修によるものなので直筆の版画、ほぼ本物とみてもいい。ドラえもんと北斎がコラボしたものは販売されていませんでした。富嶽三十六景は28000円、まことちゃんも販売されていましたがこちらは楳図先生の直筆サイン入りですがあまり欲しいとは思わない。
 グランフロントをあとに、上六の大阪国際交流センターまで徒歩で向かいます。時間はたっぷりあるし、足の調子もほぼ完治に近い状態です。むくみは帰宅して5日ほどで完全に消え、痛みも2週間で消えました。3年前途中帰宅したときはおそらく部分的な肉離れを起こしていたと思うのですが、今回はそれほど深刻ではないことは最後の日に20km歩けたことでも判っていました。ただ、横峰を登る自信はなかったし、お参りも途中で諦めるしかなかったので、今回の選択は仕方のないところ。
 ヨドバシで少しPCを見て、プチシャンホワイティを抜け東梅田の所で地上へ出て御堂筋を南下、御堂筋を歩くのは何年ぶりのことでしょう。淀屋橋まではミズノでシューズを買ったり、京阪に乗ったりしたので数年前に歩いたことは覚えていますが、そこから南はおそらくもう何十年も歩いていない。御堂会館は大学時代一度エキストラで演奏をしたことがある。長堀の地下駐車場まで来ると左折して心斎橋筋を歩く、大型連休の最中で混雑しているのは判っていても久しぶりの心斎橋は見ておきたい。三木楽器はあったけれどYAMAHAは消えていた。(検索してみると、昨年の3月、地下鉄四つ橋駅から南へ徒歩3分の所に移転していました)。大学時代に何度も通った戎橋劇場、キリン会館はH&Mに、道頓堀も人混み以上に店構えや装飾がごたごたして隔世の感。堺筋に出ると右折して日本橋の交差点、左折して千日前通りを東へ、この道を歩くのは初めてです。大阪国際交流センターに行くのは2度目ですが、前回は確か谷九まで地下鉄に乗ったはず。

 プログラムにはありませんが、オープニングは岩井直溥作曲「行進曲近畿大学」が演奏されました。ぼくはこの曲が(おそらく)初演されたとき(31年前)の録音を持っていて何10回何100回とことあるごとに聞いてきました。近大の録音はそれこそ何100曲と所有していますが、その中で一番多く聞いてきたのがこの曲です、それくらい近畿大学の校歌が好きだし、岩井先生のこのオーケストレーションも大好きです。吹奏楽を知り尽くしている先生だけに全ての楽器が十二分に生かされてかっこいいし、聞いていて惚れ惚れする。その時の演奏がまたすごい。木管のスピードが最近の演奏ではほとんど聞けなくなったぐらい、力強い。金管群が思い切り鳴らしていても、全然負けていないし陰に隠れることもない。常に木管が聞こえることほど、元クラリネット奏者のぼくにとって痛快なことはありません。
 今回の演奏もなかなか良かったのですが、指揮がちょっと物足りない、近畿、近畿、近畿、の3回リフレインするところはもっと魂のこもった力強い表現がないと盛り上がらない。この曲は指揮者にとってもかっこいい表現がいくらでもできる曲だから、もう少し盛り上げて欲しかった。岩井先生の作品としてはもうひとつ近畿大学讃歌という曲もあります。こちらもまた素晴らしい。ぼくの希望としては定期演奏会のオープニングでは讃歌を、ポップスの方では行進曲を毎回演奏してもらいたい。そうすれば毎回必ず大阪まで出ていってもいいとすら思います。
 第2部ではなんといっても「クインテット」が秀逸。03年から13年までEテレで放送された音楽番組。宮川氏と人形のクインテットが演奏を繰り広げる。ぼくも何回か見たことがある。人形の動きと演奏がすごく自然で聞き入ってしまうこともしばしば。今回は学生たちのたっての希望でプログラムに加えられました。テレビでの編成はクラリネット、トランペット、バイオリン、チェロ。打楽器の五重奏に宮川氏のピアノが加わる、この舞台ではクラリネット、トランペット、アルとサックス、テナーサックス、コントラバスの特別編成、もちろん宮川氏の特別アレンジです。それ以外のメンバーは全員合唱隊で盛り上げます。音楽というのは本当に楽しいものだと今更ながら感じさせてもらいました。本物ですからね、テレビで見ていたその人が目の前でピアノを弾いている、部員たちも、特に演奏している5人は自分たちが見ていたテレビを自分たちが演奏できているというのは本当にうれしかったと思います。