WALKER’S 

歩く男の日日

28日目=旅は道づれ

2016-05-23 | 16年四国の旅


 15時26分、砥部町のゑびす屋旅館に到着しました。
 今日はいきなり大洲から電車に乗って2駅先の喜多山で降ります。ふつうのルートで行けばときわ旅館からゑびす屋旅館までは34㎞ほどなのですが、突合から小田の町に入り真弓トンネルの手前で畑峠に向かう。このルートでは全部歩くと47㎞、それで7㎞分電車に乗ります。ブラットホームで待っていたら同宿のご夫婦もやって来ます。訊くと、内子まで乗って小田のふじやまで歩くそうです。明日の宿はぼくの遍路宿情報を参考にして笛ヶ滝に連絡をしたそうです。その後はまだ決めていないので、歩ける距離を考慮して、八丁坂、長珍屋、松山ユースホステル、シーパMAKOTOの順で行けばよいと推薦します。ぼくが全部宿に泊まって16万円で一巡すると言うと目を丸くされました。やはり1日1万円はかかる、お二人は60日近くかけて1巡するので百万円はかかる計算、驚かれるのも無理ありません。そうこうしているうちに列車は喜多山に到着、一旦お別れです。今日は大瀬の手前で追い付くだろうし明後日の朝も大宝
寺の近くですれ違いそうです。
 喜多山駅を降りて国道に合流するところにサークルKがあってラッキーでした。この先買えそうなところはなくて内子で少し回り道をするところでした。内子まで5㎞ほど、この間のベストタイムはないからふつうに気持ちよく歩きます。内子を過ぎて道の駅からりでトイレ休憩、この先小田の道の駅までないはずです。気を引き締めて再出発、大瀬まではなかなかベストが出ていません。足は全く問題ないのでいけそうな感じもありますが、リラックスな歩きを心がけます。内子駅から5㎞ほどのところでご夫婦に追い付きました。奥さんが思わず、早い~、と喚声をあげます。
 大瀬の町へ入っていく脇道が崖崩れで通行止め、遍路矢印も貼り直してあります。次の橋を渡ってバス停で休憩です。タイムは最後道が違ってしまったので比較は出来ませんがここ数年の内では一番よかったようです。休んでしばらくすると向かいの家のおばあさんが牛乳を持って来てくれました。牛乳を飲むのは何年ぶりでしょう、まして瓶入りとなるとほとんど思い出せないくらいで
す。20分休んでもご夫婦はやって来ません、手前で休憩を入れたようです。出発してしばらく行くと前に歩き遍路さんの姿、おかしいなと思ったらすぐ先にも休憩所があってそちらで先に休んでいたようです。挨拶をしてふつうは追い抜いてしまうのですが、なぜか声をかけてしまいました。今日の宿を尋ねたのがきっかけで話が弾んでしまいいっしょに歩くことにしました。ちょっと足を痛めていて宇和島の診療所で痛み止めをもらったそうです。初めてのお遍路で宿も明日までしか決めていないというので遍路宿情報を手渡すとたいそう喜んでくれました。今日はたちばな旅館、明日は古岩屋荘、となると、次は長珍屋、松山ユースホステル、シーパMAKOTOがいいと薦めます。ほかにもいろんな話ができて本当に楽しいひとときでした。静岡県は富士市から来た太田さん、富士山が一番きれいに見える町なんです、やはり誇りを持っておられます。突合で右左ですが近くの宿なので明日も会えるでしょう。
 さて、今日のメインイベントの畑峠です。突合から小田の道の
駅まで37分、トイレを済ませたっぷり水と塩を摂ってボトルに水を詰めて、勇んで出発です。過去2回この道は歩いているのですが、真弓トンネルまでのタイムしかなくて三島神社までどれくらいかかるかよく分かりません。ただ前回かなりきつい思いをしたのは覚えています。覚悟していたせいか思ったより早く56分で到着、本殿の脇で休ませてもらいます。13時25分いよいよ峠に向かいます。写真の分岐点までの山道が結構な急斜、そこからはそれほどでもなくいくらか余裕を持って進んでいけました。一旦舗装道に出て次の山道に入るところには立派な道しるべが立っていましたが、その少し先が問題でした。昨年畑峠で迷ったと言う人に会ったし、ときわ旅館のご主人も迷った人の話を聞いたそうです。
 広めの山道が途中で少し下りに入る、見渡してもほかに道は見当たらないし道しるべもない。まさにここが迷い処、右の方にかろうじてという感じでらしきものが林の中に続いているようです。よく見るとその両脇の木にテープやペンキで記しが付けてある。これはと思って導か
れて行くとちゃんとした山道が出現、さらに進むと、遍路道しるべが出現、やりました。さすが篠山マイゴちゃん、冷静な判断でした。そこからの登りは大したことなくて拍子抜けするほどでした。下りはかなり長いのですが日射しが遮られ快適でした。三嶋神社まで65分、想像していた良い方のタイムに近くて大いに満足です。
 ゑびす屋旅館の夕食はまさに前代未聞、1時間かけて残さず頂きました。