WALKER’S 

歩く男の日日

12日目 (2) 浦ノ内湾

2008-06-30 | 08年四国の旅
 難所も何とか乗り越え青龍寺に着いたのは8時41分、今までで一番早いタイム、時速6.65kmだ。特に力を入れて歩いたということはないのに、これだけの速さで歩けるのはどうしたことだろうと思う。この間歩きの人には一人も会わなかった。土佐市街に泊まった人はもう少しゆっくりの出発のようだ、同宿の人もやはり喫茶店で朝食をとっているに違いない。
 お参りを済ませ、門前の電話ボックスで明後日の宿、民宿中村に予約を入れる。中村には過去3回の投宿でいずれも素泊まりだったのですが、料理の評判がよいので今回は食事付きで泊まるつもりにしていた。ところが、先ず言われたことは、食事ができない、ということだった。もちろん素泊まりで結構です、と返事する。手洗いをすませ、水屋で水を補給、30分の休憩で出発する。まだ土佐から来る人は見えない。7時に出たとしても、峠越えだと10時くらいにはなりますからね。
 宇佐大橋の少し手前で、昨日禅師峰寺で会ったスポーティ夫婦がやってきた。一度会っていると交わす挨拶もひと味違う、挨拶のあとご主人が怪訝な顔をしている、聞けば、青龍寺を打ったのにどうして戻ってくるのか、ということらしい。この部分が打ち戻りであることを知らなかったらしい。そのままスカイラインでも行けるけれど、打ち戻りの方が起伏が少なくて楽ですよ、とアドバイスして別れる。
 青龍寺から須崎までは休憩できるところが少ない。仏坂不動へ向かう分岐点の所(民宿さざなみの前)にベンチがあるけれど屋根はない。そこまで14kmあるので1回休憩を入れるのですが、適当なところが全くない。7.7km地点に釣り筏へ下りていくところがあって駐車スペースもある、その駐車場の車止めのブロックに腰を下ろして休む。ここも屋根がないから雨が降ったら休めない。その少し手前に八百屋さんがあって腰掛けもあったから、雨が降ればそちらで休むことになるだろう。27分の休み、のどかな湾の風景をしばし楽しむ。駐車場を出てしばらく行くと麦わら帽のおじさんが歩いている。昨日は宇佐まで来ていたのだろう。挨拶を交わして追い抜いていく、今日も天気が良くて、気温がかなり上がっている。12日で雨が降ったのは1日だけ、相当恵まれている。でも天気が良すぎてもそれなりのダメージがある。駐車場までは調子が良かったのに、分岐点までは乗りが悪く1分遅れになった。暑いのでYショップで久々にアイスを買う。ベンチで休んでいたら、近所の小学生の集団が自転車に乗って行き過ぎていく。そういえば今日は昭和の日で学校はお休みだ。一人残らず「さようなら」と挨拶してくれる。普通は「こんにちは」だろうと思うけれど、すぐ別れてしまうのだから間違いではない、ぼくも調子を合わせて一人一人に「さようなら」と声をかける。ここ浦ノ内小学校ではお遍路さんに葉書を配って、どうしてお遍路をしているのかを、書いて送って貰って、お遍路に対する理解を深める活動をしている。だから、何の抵抗もなく明るく挨拶してくれるのだろう。