WALKER’S 

歩く男の日日

10日目 (1) 松本大師堂

2008-06-23 | 08年四国の旅
 今日歩く距離は28kmたらず、今回の旅で一番短い。したがって出発時間も一番遅く8時とする。日曜なので「所さんの目が点」もゆっくり見ることができる。宿に17時間滞在したことになる。そして今日歩くのは4時間ちょっと、いいのかなという感じだけど、これで体調を整えることができるだろう。整えるというほど痛んでいる所はないけれど、より快調に、より普通に歩けるようになれるかもしれない。
 この時間だと、海風荘や、住吉荘に泊まった人は1時間以上早く出ているから、追いつくのは大日寺の近くか、もっと先になるかもしれない。例年通り夜須駅の前のコンビニで食料を仕入れる、休憩は入れず大日寺で食べることにする。あと8.5km。香我美町に入って国道を右に折れる、次の三叉路を左に折れて少し行くと遍路小屋がある。男の人が休んでいる、この時間でここまでしか来ていないのは相当遅い、さらにすぐ前には男女ペア、昨日琴ヶ浜で休んでいた人だと思われる。彼らは大日寺へはぼくより45分遅れで到着、11kmの道のりを3時間かかっていることになる、でも多くの人がそれくらいの速さで歩く、それくらいゆっくりの方がより多くのものを味わうことができる。速ければいいというものではない事は重々承知しているつもりです。
 日曜ということもあってか、大日寺は多くの参拝客でにぎわっていた。歩きの人も何人か確認できる。水屋の横のベンチに座っている長身の女性が挨拶をしてくれる。彼女は丸刈り、尼さんなのだろうか。ザックの色と身長からして昨日浜辺に下りていった人に違いない。昨日買ったトマトを分けてくれる、お遍路さんからのお接待。彼女は今日は高知ユースホステルに泊まるそうだ、遍路装束は身につけているけれど金剛杖は持っていない。代わりにピンクの傘を持っている。傘を杖代わりにしている人を初めて見た(ぼく以外で)。
 時間の余裕があるのでたっぷり45分の休憩、山門の前の電話ボックスで明後日の宿柳屋旅館に予約を入れる。男の人が出たけれど、こちらの声が全く聞こえていないようだ、向こうの声ははっきり聞こえるのに。大声で怒鳴ってもらちがあかないので諦める。電話ボックスの故障は珍しいことではない。ボックスを使う人は極端に少なくなっているから、故障してもほったらかしになっているところが多いのだろう。
 国分寺までの9.1kmは2年前にものすごい記録を出してしまったので、普通に歩いていると絶対同じ記録は出ない、昨年ですらどうにもならなかったので初めから諦めて普通に歩くことにする。なぜあんなに速く歩けたのかいまだに首を傾げるばかりです。今日は快晴だけれど、雨が降ると今日の区間はすごくやっかいです。大日寺と国分寺と善楽寺は屋根のある休憩所がないのです。座って休めない。しかも遍路道沿いにも適当な休憩所はない。香我美町の遍路小屋は宿を出て3kmちょっとの所にあるので休んでいる場合ではないし、南国市のJRを過ぎたところの接待所は少し入りにくい。最初のお遍路の時1日中雨が降って、1度も腰を下ろして休めなくて足を痛めてしまったという苦い思い出がある。2回目以降は一度も降らなかったので事なきを得ているけれど、本当にやっかいな区間です。そのやっかいな区間に新しい休憩所ができていました。旧土佐山田町と南国市の境、大日寺と国分寺の中間地点に新しい松本大師堂ができていました。古い大師堂がどのようであったかは全く記憶がないのですが、少なくとも休憩できるようにはなっていなかったでしょう。これで何とか、善楽寺手前の遍路小屋とあわせて3つの休憩所を使えば何とかなりそうではあります。