サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

北海道西海岸バスの旅①

2016-09-24 | 『勝手に帯広通信』
遅ればせながら、サハリン旅行中止のつづき…。

9月8日朝8時半、稚内に行くつもりで予約していた
帯広発ポテトライナーで一路札幌へ。
道中、台風被害にあった芽室、清水を車窓に望む。
増水後の川には漂流物が堆積し、住宅地も泥色。
こんなところにまで泥水が押し寄せてきたのか、と
改めて被害の大きさを実感する。

12時15分、札幌駅前バスターミナル着。

札幌から道内各地に向かうバスが集まる一大ターミナル。
が、通路が狭くて人は溢れ、表示も不親切でわかりにくい。
「トイレ」の矢印についていったら、外に出てしまう始末。
チケットをどこで買うのかもよくわからず。

ひっそりと隠れていた券売機発見。

省エネなのかパネルが真っ暗で、
故障中かと思った。

さて次に目指すは…。

メジャーな小樽でも余市でもニセコでもなく、岩内なる場所。
12時35分発、北海道中央バスの「高速いわない号」に乗車。
てっきりポテトライナー同様、主要バス停しか止まらないのかと思ったら
ワンブロックごとに止まり、次々客が乗っては降りる。
どうやら札幌市街地では普通の路線バスとして機能しているもよう。

15時8分、着いたのは岩内バスターミナル。
ここで再び乗り換え、15時30分発の中央バス神恵内線に乗り込む。


行き先は盃温泉。

実はサハリン中止決定後、急遽予定を変更し、
家人の親戚が住む岩内に墓参りに行くことになったのだが、
なぜか岩内の宿はすでに予約でいっぱい。
そこで近場の盃温泉に宿を予約。
ほぼ下知識なしの状態で向かってます。

バスに乗ってすぐに見えてきた稲穂の波。

このあたりはお米とアスパラの産地のもよう。

あの目立つ建物は何??

「原子力PRセンターとまりん館」とある。

やがて表示されたバス停名が…。

泊(とまり)…。そう、ここは泊村。
北海道唯一の原発がある村だ。
だからやって来たわけではもちろんなく、
盃温泉が泊村にあることを知ったのは予約後のこと。

15時55分、盃温泉湯元バス停に到着。
高台にある潮香荘が目指す温泉宿。


ここまでバスに乗りっぱなしで7時間半。
温泉につかったあとは海鮮づくしの夕食。


翌朝。散策に出てみれば、目の前は漁港。


こんな看板も…。

密漁、密入国とはさすが北方の海。

そして沿岸には古い木造の家が残る。

かつてニシン漁に使われていた番屋だそう。
多くは廃屋化しているが、改装してきれいに住まっている家も。

ここ北海道の日本海沿岸は、ニシン漁で栄えた地域。
江戸時代に始まったニシン漁は明治時代にピークを迎え、
その最盛期の栄華を伝えるのが各地に残る鰊御殿。
小樽にある旧青山別邸がよく知られるが、
泊にも「鰊御殿とまり」がある。


移築された旧川村家番屋。明治27年建造。

漁場を経営する親方家族の居住空間。

かたやこちらは「漁夫だまり」。

季節労働者「やん衆」はこちらで暮らした。
高い天井と、煤で真っ黒になった太い梁。
朝ドラ『マッサン』で風間杜夫演じる森野熊虎が
やん衆と飲めや歌えやを繰り広げたシーンも、
こんな感じの番屋が舞台でしたね。

川村家の番屋は、親方と漁夫の生活空間が、
土間ひとつ隔てて同じ屋根の下にあるのが特徴。
川村親方も熊虎さん同様、やん衆とわいわいやるのが
好きだったのかも。

このカバンはアザラシの皮製。

館内を案内してくださった方のお話では、
熊虎さんが初めてマッサンと出会うシーンで
これと同じのを持っていたとのこと。
そう言われてみればそうだったかも…。

これもアザラシの皮??

詳細不明ですが、可愛かったのでつい接写。

ここにはもうひとつ、旧武井邸客殿も移築されている。

商談の間に再現されている商談風景。
突如現れるのでビックリ。

鰊御殿の前に広がるのは、かつての漁場。

ニシンの群れが産卵のためにやってくると、
雄の精子で海一面が白濁したそう。
1950年代以降、ニシンはぱたりと来なくなった。
バブルははじけ、鰊御殿は夢の跡となる。


かつてニシンの漁場として栄え、番屋が立ち並んでいた泊沿岸に、
いま白く浮かぶのは、泊原子力発電所。
Comments (2)
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