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「戦争にいった馬たち」展

2017-08-28 | 『勝手に帯広通信』

先日1年半ぶりに本別歴史民俗資料館へ。ここでは8月末まで
「7月15日本別空襲を伝える~戦争にいった馬たち~」
と題して、全国の軍馬資料を集めた企画展が開催されている。


日本各地から「出征」していった馬たちの数は70万とも100万ともいわれる。
「馬は生きた兵器」「馬は無言の戦士」。陸軍のスローガンがやるせない。


日本各地には、軍馬の無念を悼んで建てられた碑があるという。
その写真を一堂に会したのが、この企画展。

   

軍馬のみならず、軍犬、軍鳩に捧げられた碑や供養塔も。
これだけ多くの碑が全国に点在しているということは、
それほど多くの人が、苦難を共にして散った動物たちを想い、
忘れることができずにいた証だろう。

東京にも軍馬の碑がある。

旧陸軍獣医学校跡地、駒場学園高等学校の敷地内にあるのだそう。
近くに住んでいたことがあるのに、全然知らなかった!
(この写真の下には「私立駒沢高等学校」とありますが「駒場」が正)


レコードジャケットにもなり、美化された軍馬。


大陸に渡るため、港で船を待つ馬たち。
生きて帰ってきた馬は、1頭もいなかったと伝えられるが、
この資料館には、奇跡的に帰ってきた「本別号」の写真も常設展示されている。
馬の無事をアピールした軍のプロパガンダかもしれないが…。

資料館の常設展示には、元従軍獣医師の所持品と弔辞も。

この弔辞が素晴らしい。馬たちの最期を生々しく活写し、
それを見ていることしかできなかった獣医師の苦悩と
馬たちに寄せる想いとが、達筆から湧き上がってくるよな名文なり。


こちらは軍馬展とは関係ないが、展示の陰に隠れていた実物大模型。
冬の十勝で働く馬。とてもリアルで見ごたえあり。


ここ本別町歴史民俗資料館にて「戦争にいった馬たち展」開催中

おまけ。資料館入口にて。

ここにもいた、デスモスチルス!
足寄動物化石博物館にも展示されていたカバの祖先。

こちらは本別の道の駅ステラの裏手。

本別町仙美里にはかつて軍馬を育成する軍馬補充部十勝支部があり、
今は廃線になったこの鉄道に乗って、馬たちは九州へ。
さらに船に乗って大陸へと渡っていったそう。
軍馬補充部は全国各地にあったが、
馬たちは大陸と気候が似た北海道に集められ、
気候に馴らしてから戦地に送り込まれたのだという。
知れば知るほどやりきれない軍馬の歴史。

同じ鉄道の終点、旧ふるさと銀河線の旧陸別駅。

こちらではイベント列車がちょうど発車スタンバイ。
実は陸別での法事がこの日のメインイベント。
2日間有効の十勝バス乗り放題切符3900円を利用して
本別で途中下車したしだい。
バスの時間があるので、用事を済ますと早々にとんぼ帰り。

 旅のシメは道の駅の濃厚ソフトでした。
Comments (5)
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