サムイズダート・ロシア

めざせロシア式菜園生活!ダーチャごっことロシア&北海道のお話あれこれ

シェレメチェボ遺失物探し

2010-03-10 | ロシア取材2007
そういえば、旅のトラブルまだまだありました。
「ああっ、i-Podがない!飛行機に置いてきちゃったのかも~」
とOさん、成田からモスクワに着いたその日に早くも忘れ物。
しかも、よりによってレアものの機種だという。
現地在住の知人にアエロフロートに問い合わせてもらうも、
そのような忘れ物は届けられていないとのこと。
でも取材旅行は待ったなし。これ以上追求する時間もなく、
この一件は旅の間、思い返されることはなかったのであった。

帰国日。ペテルブルクから国内線でモスクワへ移動し、
着いたのはシェレメチェボ空港第一ターミナル(*)。
成田行きの出発まで、まだ優に7時間近くある。
何すりゃいいの、この時間!
あ…。そこで思い出したのが忘れ物の一件。どうせヒマなのだ。
時間つぶしのテーマは「i-Podを探せ!」に決定~。

とりあえず目の前にあった遺失物取扱所へ。
といっても木のカウンター越しにおばちゃんが座ってるだけで
遺失物が保管された棚があるわけじゃなし、機能してる風情もない。
どう見ても役に立ちそうになかったが、
どう役に立たないかを見てみたくなるのが暇人のサガである。
案の定、「国際線でなくしたなら国際線へ行け」と一言。
それはわかっておる。国際線のどこそこでお尋ねください、
となぜ言えないのだ、この人たちは(笑)。

第一から国際線の第二ターミナル(*)へ、バスで移動。
早速、遺失物取扱所の標識が示す方向に向かってみるが、
そこにあったのは荷物預かり所。ちょうどいい。
スーツケースを預けて身軽になったところで、捜索開始!

手始めにエレベーターホールの表示を見てみると、
どうやら上の階に航空会社のオフィスがあるらしい。
ヒマなので一階ずつおりて見てみる。
がら~んとした食堂があるだけの階。ここ違う。
次…あった!廊下沿いにオフィスのドアがずらりと並んでる。
なのに、あるのは外国の航空会社のオフィスばかりで
肝心のアエロフロートがないじゃないか。
ふむふむ、アエロは別格なのか。
再びエレベーターに乗って降りようとすると、Oさん、
日本式に気ぜわしくボタンをガンガン押しまくって
せっかく閉まりかけたドアを全開にしてしまい、
同乗してたロシア美人に「押さないで!」と怒られる。
そう、Oさんが押してたのは「開」ボタン。
日本のように「閉」のボタンなどないのである。

さあ次!アエロフロートのオフィスはどこぞ?
と見れば、ターミナル入口近くにひっそりとあった。
職員のおねえさんを呼び止めると、あからさまに迷惑顔。
事情を話すと、自分の管轄ではない内容と知って
これまたあからさまにホッとした表情で言う。
「ああ、それなら荷物預かり所で聞いてちょうだい」
え、なんで荷物預かり所?
最初にスーツケースを預けた場所じゃないですか。
不審に思いつつも再び振り出しに戻ってみれば…。
ああっ、ある!荷物預かり所の入口の右脇っちょに、
「遺失物取扱所」と書かれた別室が確かにある!
荷物も遺失物も預かるんだからおんなじ、てことか。

ようやくたどりついた遺失物取扱所で、また一から説明。
すると係のおばちゃんが、おもむろに大判のノートを取り出した。
出た!ロシア得意のアナログ・ノート!
使いこまれたノートにびっしりと書き込まれた手書き文字。
「紛失したのはいつ?何時の便?」ときびきび尋ねながら
ページを繰る頼もしい職業婦人!
一筋の光が射し込んだかに思えたが…。
「ないわね」
…ガックリ。やはり誰かの懐に納まってしまったのか。
これでようやくあきらめのついたOさんであった。

それにしても、倉庫に収められた目を見張る遺失物の数々!
うっかり忘れたりなくしたりしたとはとても思えないような
巨大な包みや大きなバッグがいくつも山積みになっている。
ひょっとして引き取りにこれないヤバイものだったりして?

*現在シェレメチェボ空港のターミナルが続々増えて名称変更中。
「第一」は「B」、「第二」は「F」となります。詳しくはこちらを。

シェレメチェボの荷物ぐるぐる巻きサービス(有料)
によってぐるぐる巻きにされるOさんの手荷物。
Comments (4)
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