
今日は午後に網走へ観光のお話をしに行きます。千歳空港は晴れてますけどねえ。
今日は
■オホーツク地域戦略セミナー の1本です。
【オホーツク地域戦略セミナー】
時間ぎりぎりまで打ち合わせをしていたために、札幌駅発の電車に飛び乗るようにして、新千歳空港へと向かう。(やれやれ間に合った…)と安心したのも束の間で、空港に着いてみると女満別行きの飛行機は機材遅れだし乗客が一人いないだとかで、出発が大幅に遅れてしまった。
今日の午後は網走市内で開かれる「オホーツク21世紀を考える会」主催のシンポジウムに講演とパネルディスカッションのパネリストとして招かれたのだが、結局飛行機が大幅に遅れて、シンポジウムも10分遅れて開始するという羽目になってしまった。
北海道の冬は定時性が崩れるのが大変なところだ。
今日のシンポジウムのテーマは「観光と地域振興」ということで、講師は私ともうお一方東京農大の田中俊次教授の二人である。
田中先生の方は「地学連携による観光振興の可能性」というお題で、北大をはじめ各大学がいよいよ観光関連の学部学科を作り始めたというお話をされた。地域に貢献出来る観光人材が育ってくれる事を期待したいものだ。
* * * *
私の方は、「観光によるこれからの地域振興」というお題で、北海道観光の現状と北海道開発局の観光へのこれまでの取り組み、ならびにこれからどうして行くべきか、というお話を1時間にわたって繰り広げました。
観光産業の特徴は、「域外で稼いでくれた来訪者が域内で消費・支出をしてくれる」ということである。多少乱暴な言い方をすれば、「鴨がネギを背負ってやってくる」のである。
ネギを背負った鴨がたくさんやってくるということは、それだけでもまず一義的に地域の経済が潤うという事だ。さらにお土産屋さんや飲食・ホテルなどの一次観光産業者が地域の産物を仕入れていれば、観光客の落としてくれたお金は地域を循環して二倍、三倍の経済効果になるというわけである。
同じ観光客でも、これまでは「とにかく来てくれれば何でも良い」ということで訳の分からない根拠でもって「観光入れ込み数」という数字を頼りにしていたが、世界の観光統計の趨勢は大事に思う数字は「宿泊者数」になっているのだという。
結局日帰りの観光客はあまりお金を落とさないもので、逆に泊まりがけ出来てくださる方はそれなりに楽しみにして覚悟してくるので落ちるお金が随分と違うのである。
だから観光の経済効果を向上させるかけ算というのがあって、それは「観光入れ込みの増加」×「宿泊数の増加」×「消費単価の増加」×「域内調達率の向上」ということになる。つまり、たくさん観光客が来てくれて、そのうち多くが地域に宿泊してくれて、お金をたくさん使ってくれて、そのお金が地域で回る、というのが経済効果向上の成功の法則なのだ。
そういう意味での地域の宝発見、おもてなしの心、広報・宣伝、名物・名産品の開発、多様なサービスの取りそろえ、などが必要なのだという視点を持つ必要があるだろう。もちろん、その結果として住民が地域に誇りを持つという副次的な効果も忘れてはいけないけれど。
実は観光を振興させようとして忘れがちなのが、その町の「夜の観光」だ。風俗やピンク産業をイメージするかもしれないが、そういうことではなくて、その町の夜に面白い事があって、そとから多くがそれを見に来るという事になれば、きっと宿泊してくれる人の増加に繋がるはずだ。
自分たちのまちの夜にどれだけ魅力を増す事が出来るかを考えてみるのがよいだろう。ちなみに今日の写真は道庁赤レンガ前に建設中のオフィスビルの夜景。まだ工事中なのに、なかなか洒落たサービスをしてくれているではないか。
地域作りとして話題になった帯広の屋台村は、店主と客の間の絶妙なふれ合いの感覚が面白いと思ったけれど、夜の観光スポットとしても充分に機能しているのだろう。また、私の心の故郷掛川市でもこの時期はまちなかで「光のオブジェ展」という灯りを使ったイベントが繰り広げられている。
神戸のルミナリエのような派手さはないけれど、市民の皆さん手作りのほのぼのとしたぬくもりが伝わる夜のイベントだ。少し寂しくなったまちなかを何とかしたいという気持ちがきっと伝わってくるはずだ。
自分たちが楽しんでいれば遠くの人も面白がってやってくる。そのことを論語では「近者悦び遠者来る」と教えてくれている。
結果を求めるのはスローで良い。
今日は
■オホーツク地域戦略セミナー の1本です。
【オホーツク地域戦略セミナー】
時間ぎりぎりまで打ち合わせをしていたために、札幌駅発の電車に飛び乗るようにして、新千歳空港へと向かう。(やれやれ間に合った…)と安心したのも束の間で、空港に着いてみると女満別行きの飛行機は機材遅れだし乗客が一人いないだとかで、出発が大幅に遅れてしまった。
今日の午後は網走市内で開かれる「オホーツク21世紀を考える会」主催のシンポジウムに講演とパネルディスカッションのパネリストとして招かれたのだが、結局飛行機が大幅に遅れて、シンポジウムも10分遅れて開始するという羽目になってしまった。
北海道の冬は定時性が崩れるのが大変なところだ。
今日のシンポジウムのテーマは「観光と地域振興」ということで、講師は私ともうお一方東京農大の田中俊次教授の二人である。
田中先生の方は「地学連携による観光振興の可能性」というお題で、北大をはじめ各大学がいよいよ観光関連の学部学科を作り始めたというお話をされた。地域に貢献出来る観光人材が育ってくれる事を期待したいものだ。
* * * *
私の方は、「観光によるこれからの地域振興」というお題で、北海道観光の現状と北海道開発局の観光へのこれまでの取り組み、ならびにこれからどうして行くべきか、というお話を1時間にわたって繰り広げました。
観光産業の特徴は、「域外で稼いでくれた来訪者が域内で消費・支出をしてくれる」ということである。多少乱暴な言い方をすれば、「鴨がネギを背負ってやってくる」のである。
ネギを背負った鴨がたくさんやってくるということは、それだけでもまず一義的に地域の経済が潤うという事だ。さらにお土産屋さんや飲食・ホテルなどの一次観光産業者が地域の産物を仕入れていれば、観光客の落としてくれたお金は地域を循環して二倍、三倍の経済効果になるというわけである。
同じ観光客でも、これまでは「とにかく来てくれれば何でも良い」ということで訳の分からない根拠でもって「観光入れ込み数」という数字を頼りにしていたが、世界の観光統計の趨勢は大事に思う数字は「宿泊者数」になっているのだという。
結局日帰りの観光客はあまりお金を落とさないもので、逆に泊まりがけ出来てくださる方はそれなりに楽しみにして覚悟してくるので落ちるお金が随分と違うのである。
だから観光の経済効果を向上させるかけ算というのがあって、それは「観光入れ込みの増加」×「宿泊数の増加」×「消費単価の増加」×「域内調達率の向上」ということになる。つまり、たくさん観光客が来てくれて、そのうち多くが地域に宿泊してくれて、お金をたくさん使ってくれて、そのお金が地域で回る、というのが経済効果向上の成功の法則なのだ。
そういう意味での地域の宝発見、おもてなしの心、広報・宣伝、名物・名産品の開発、多様なサービスの取りそろえ、などが必要なのだという視点を持つ必要があるだろう。もちろん、その結果として住民が地域に誇りを持つという副次的な効果も忘れてはいけないけれど。
実は観光を振興させようとして忘れがちなのが、その町の「夜の観光」だ。風俗やピンク産業をイメージするかもしれないが、そういうことではなくて、その町の夜に面白い事があって、そとから多くがそれを見に来るという事になれば、きっと宿泊してくれる人の増加に繋がるはずだ。
自分たちのまちの夜にどれだけ魅力を増す事が出来るかを考えてみるのがよいだろう。ちなみに今日の写真は道庁赤レンガ前に建設中のオフィスビルの夜景。まだ工事中なのに、なかなか洒落たサービスをしてくれているではないか。
地域作りとして話題になった帯広の屋台村は、店主と客の間の絶妙なふれ合いの感覚が面白いと思ったけれど、夜の観光スポットとしても充分に機能しているのだろう。また、私の心の故郷掛川市でもこの時期はまちなかで「光のオブジェ展」という灯りを使ったイベントが繰り広げられている。
神戸のルミナリエのような派手さはないけれど、市民の皆さん手作りのほのぼのとしたぬくもりが伝わる夜のイベントだ。少し寂しくなったまちなかを何とかしたいという気持ちがきっと伝わってくるはずだ。
自分たちが楽しんでいれば遠くの人も面白がってやってくる。そのことを論語では「近者悦び遠者来る」と教えてくれている。
結果を求めるのはスローで良い。

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