都市計画学会の理事会があって、日帰りで東京出張。
雪の少ない北海道なのに、こういう時に限って空港周辺はまとまった雪が降る。
30分遅れで離陸した飛行機でしたが、余裕をもった行程にしてあってセーフ。
冬出張は、空港アクセスも飛行機も油断がなりません。
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会議の前に、全国各地の代表が集まった連絡会議があるのですが、そこでの会話がなかなか刺激的です。
今回の話題は、自治体の能力と地方分権の関係について。
ある地区の代表が、「昔は、自分たちの理想のまちづくりをするために、どういう都市計画手法が使えるだろうか、と喧々諤々の議論をしたものだけれど、最近の自治体にはそういう機運が見当たらない」と嘆いていました。
「それは人口減少の局面ではもうまちの拡大をエネルギーにした将来ビジョンが描けないからではないでしょうか」と誰かが言えば、「それもあるかもしれないけれど、自治体職員の技術継承がうまくいっていなくて、職人的なノウハウを持つような人が消えてしまったこともあるのではないか」と感じているとのこと。
さらに、「昔は本当に悩んだら本省の担当者に相談に来たものです。それこそ、本省には日本中の知恵が集まっていて、『この手法が使えるのじゃないか』とか『ここの自治体に尋ねてみてはどうか』といったアドバイスももらえました。それが権限移譲をやりすぎて、地方整備局に所管を移してしまったので、まずそこに情報が集まらない。担当者も都市計画のプロではないから、レベルの高いやり取りができていないように思う」とも。
分権とか権限移譲とか、散々やってきたけれど、それが成功だったのか失敗だったのかの検証ってしないものですかね。
以前と比べてうまくいっていないのならそういう声を集めて、変えられることは変えればよいと思うのですが、もはや『そういう判断ができる状況ではない』というのなら、それはもうよりよい社会づくりに向けた改革ではなく、ルネサンス以前の中世のようなものかも。
いや、もう行政主体にもそんなことをするだけのエネルギーは残ってないのかな。
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会議が終わった後に新年会を兼ねた懇親会に、飛行機の時間をにらみながらぎりぎりまで出席。
隣に座った先生に、「これからの北海道は、ワインの産地としてどんどん名が知れてくると思いますよ」と言ったら、「おお、それは素晴らしい。ところで北海道には秋に、その年に採れたブドウで造ったフレッシュなワインが飲めるのでしょうか」と訊かれてしまいました。
「ああ、それは寡聞にしてよくわかりません。調べてみましょうか」というと、「実はヨーロッパでは、そういうフレッシュなワインを飲ませてくれるとこが結構あって、またその時期に合わせて音楽祭が開かれるんです。そうすると、わざわざそこに旅をする魅力と理由が生まれるというわけです。北海道もそんな美味しい食と文化が合わさると、きっとさらに強力な魅力が生まれますね」
なるほど、音楽祭やお祭りは収穫の時期に合わせる。
魅力の相乗効果を狙ったまちづくりっていいですね。
話し込んでしまい、セットしてあったタイマーにも気が付かず、慌てて会場を後にしました。
危ない、危ない。
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