冬はどうしても早起きの癖がつく季節です。
雪かきもさらりと降るくらいなら30分で済みますが、がっつりと15センチも降ろうものなら1~1.5時間はかかるのです。
そのため 天気予報を気にしながら、少しの積雪予報なら6時、絶対に積もっていることを確信するときは5時起きで雪かきをしてから出勤します。
それが続くともう5時には目覚めるようになってきます。
さらにワカサギ釣りが始まると、朝2時起きで2時半出発と言うことになり、そうなるとさらに起きるのが早くなる癖がついてしまいます。
そこへきて老化で体力がなくなってきて長時間睡眠ができなくなります。
若い人たちが朝いつまでも【寝ている】というのは【寝ていられる】ということでもあり、それだけ体力があることがうらやましくもなります。
健康教科書の「早寝早起き」と一口に言いますが、やがては夜遅くまで起きてもいられない「早寝」が始まり、意図せずして寝ていられない「早起き」になるわけです。
さらにさらに、だんだんトイレが近くなって尿意で目が覚めることもしばしば。
健康の源である睡眠も、安定的な日常を過ごそうと思うとなかなか大変です。
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実家の母によると、92歳という高齢で少し認知が怪しくなってきた父は、夜床に就いた後しばしば夜中の12時過ぎに起きて服を着替えてテレビを見ていることがあるそうです。
母が「まだ寝ている時間でしょ」と言うと、「そうか」と言ってまたベッドに入るそうです。
またときどき実家を訪ねた時も、ウトウトする時間が増えてきました。
起きている時間と寝ている時間が細切れになるのも老化の一つの側面なのでしょう。
だんだん日常の24時間と自分の睡眠や生活のタイミングがずれてきているようです。
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中国の古典にある話ですが、ある若者が故郷を離れて放浪し、趙の都「邯鄲(かんたん)」である老人に出会います。
若者は老人に貧乏な自らの身の上と不平を語ると、その老人は夢がかなうという枕をその若者にくれました。
そこで若者がその夢がかなう枕を使ってみると、なんとみるみるうちに出世を果たし美しい嫁を貰い、時には投獄されたりその冤罪を晴らされたりと波乱万丈の人生を歩み、とうとう国王にも就くという栄華を極めます。
子孫にも恵まれて幸せな人生を歩みながら歳を取り、最後には多くの人々に惜しまれながら眠るように亡くなります。
そこでふと我に返ると、なんと眠る前に火にかけた粥がまだ煮上がってさえいませんでした。
若者は枕をくれた老人に、「人生の栄枯盛衰を経験しました。すべては夢であり束の間の出来事でした。先生は私の欲を払ってくださいました」と礼を言い、故郷へ帰って行ったのでした。
これが世にいう「邯鄲の夢」「邯鄲の枕」といった故事です。
ふと目が覚めるとキャンプ場で料理の途中で我が人生の夢を見ていた、なんてことがあるでしょうか。
はかない人生でも今を一生懸命に生きましょう。
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