昨日の毛ガニパーティでの出来事。外でバーベキューをしていると、外国人の中年夫婦が近寄ってきました。
我々のパーティをニコニコしながら見ているので、つい「(下手な英語で:以下同様)どこから来たの?」と声をかけました。すると夫婦は「フランス」と言います。
フランスから稚内とは珍しい。「旅の目的は何ですか?島へ渡ってみるのですか?」
すると旦那さんの方が「ビフカ」と言います。(び、美深?こりゃまたピンポイントな目的地だなあ)とこちらはなんだか狐につままれたよう。
「ビフカに何があるの?」
「ジュウニタキ、ハルキ・ムラカミの小説に出てくる場所」
「村上春樹!僕は読んでいないけれど、なんて言う小説ですか?」
「"A wild sheep chase"」
聞こえた単語を頼りにスマホで検索をしてみると、村上春樹の三作目の小説で『羊をめぐる冒険』という本があり、これが北海道を舞台にしたもので『十二滝町』という架空の町が登場します。そしてこれが美深の仁宇布(ニウブ)地区がモデルらしいとファンの間で有名になり、美深にはハルキストが集うているのだとか。
ハルキストは世界にいて、しかもその部隊が見たくてわざわざ海外旅行をするなんて、その影響力は大きなものがありますね。
私などは北海道に住んでいてもこの小説は知りませんでした。皆さんはご存知でしたでしょうか。
◆
フランス人夫婦とのやり取りが落ち着いたところで今度は二十台と思しき若い東洋人の女性がふらりとやってきました。
我々の姿を見てにこっと笑ったので、またまた「(下手な英語で:以下同様)どこから来たの?」と声をかけると「香港から」とのこと。
「一人旅なの?」
「友達も誘ったのですが、利尻・礼文を巡る旅には休暇が長すぎて友達は来られなくて一人できました」
翌日から礼文島をめぐり野草を巡るトレッキングをして利尻島では自転車を借りるかバスで島めぐりをするつもり、と言っていました。興味深いので我々のパーティのホタテやら肉やら飲み物を出してあげていろいろな外国人目線の話を聞くことができました。
彼女は「まちなかの看板にロシア語が多いけれど、ロシア人観光客が多いのですか?」と訊いてきたので、「観光客もいるけれど、昔は魚を持ってくるロシア人漁師が多かったよ」と答えておきました。
外国人目線の興味や不思議、面白い点などを少しずつこうやって聞き取っていると面白いデータになりそうです。
外国人観光客って、もちろん他の都市ならばもっと多いのでしょうけれど、ふらりときて声をかけて居酒屋に引っ張り込んで旅の思い出をお互いに作るというフランクなところは小さな町だからかもしれません。
ビッグデータも良いけれど、その一方で小さな町の面白さとフランクな市民性を地道に印象深く伝えられたら面白い評判にならないものかとも思います。
酔っぱらって外国人に声をかけるオヤジでいようと思います。
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