北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

ギャンブレル屋根

2009-10-10 23:46:32 | Weblog
 通勤の途中駅というのはなかなか降りてみないものです。だからこそ敢えて降りてみる。

 今日は小田急線の通勤途中駅である向ヶ丘遊園駅で降りてみました。

 駅は北側と南側で大きく様相を異にしていて、南口側は区画整理が終わって駅前広場や再開発商業ビルなども良くできています。

 これに対して駅の北口側は、再開発の計画があるもののまだ事業は進んでいなくて昔ながらの細い道があって○○銀座なんて商店街もあったりするんです。

 ところで、そんな駅の北口ですがこの北口駅舎の形が良いんです。





 北海道の方なら郊外の牛舎や畜舎でお馴染みのこの屋根の形はギャンブレル屋根と言って、日本語では将棋の駒に似ているので「駒形腰折屋根」などとも言っているみたい。

 一部の本には「マンサード屋根」と書いてあるものもあるようですが、じつはこれは誤り。下の図の左がマンサード屋根で右がギャンブレル屋根。マンサード屋根だと、北海道の場合屋根雪が落ちてくるので、いわゆる「妻」と呼ばれる垂直の面を作ってそこから出入りするのが現実的なわけです。



  《左がマンサード屋根、右がギャンブレル屋根  Wikipediaより》




 このギャンブレル屋根は18世紀頃にヨーロッパからアメリカに伝わったとされていて、特徴は屋根裏を高く取れること。

 牧舎などではこの屋根裏に干し草を蓄えておいたりしたんだそうですよ。これも開拓時代以来のある種の流行建築だったんでしょうね。

    ※    ※    ※    ※

 そんなわけでどこか懐かしい風情だと思ったら、道産子でなくてもそういう思いを持つ人は多いようで、この屋根の建物の写真をたくさん載せているブログやホームページもあるようです。

 「北海道には歴史がないから…」なんて言っているうちに、本当に歴史的な風景や建物は北海道から次第に消えていっているのではないでしょうか。

 道産子だったら「ギャンブレル屋根」という単語を覚えているだけでも、北海道の開拓の歴史をより身近に感じられると思います。 
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