私のいない間に平日に日中、我が家に来ることのある娘と孫ですが、ずっといい子できた孫(1歳4ヶ月)が最近【だはんをこく】ようになったのだそう。
おっと失礼、【だはんをこく】というのは、北海道の人は良く知っている北海道方言で、『言うことをきかなくてわめいたり暴れたりすること』という意味。
孫は最近、思い通りにならないと突っ伏して大声で泣いて不満を表すようになったというのです。
「ほっほー、そろそろ自我が芽生えて来たかな」「そうかも」と爺さんと婆さんとしてはほほえましく思っているところですが、そろそろ親としては子育てが大変な時期を迎えそうです。
さてこの【だはんをこく】【だはんこき】という方言ですが、ときどき開く、北海道方言辞書では<まれ>というマークがついていて、「現在,耳にする機会がほとんどない。または一部地域限定で使われている」と注釈がついていますが、私の家では今でも時々使います。
【北海道方言辞典】 http://homepage2.nifty.com/hokhog/
北海道では、言うことをきかない子が『癇癪を起している』と言われるとちょっと上品ぶって聞こえてしまって、やっぱり【なに、だはんこいてんだ】でないと調子が出ません。
方言には独特のニュアンスがあるので、標準語に解釈してしまうと本来持つ雰囲気が伝わらなくなってしまいますね。
「しばれる」は「痛いほど冷たい」ではやはり伝わりきらなくて、北海道の冬の朝に「ひー、しばれるー!」と言葉がもつイメージを体感しなければ分からないのです。
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ところで、方言が危ないのは、それが標準語だと思ってしまって伝わらないことがあることです。
以前東京で開かれたある会議で、「○○という解釈はなりたちますか?」と質問をされて、「うーん、それはイズイねえ」と答えたところ、会議室にいた全員の目が点になって、(今なんていった?)という雰囲気になりました。
こちらは何が会議の空気を変えたのかわからなかったのですが、「いずい=違和感がある」という方言が全く伝わらなかったというお話。
今でも思い出すと恥ずかしくなる記憶です。
それでも温かみを持つ地元の言葉である方言。
北海道の風土が生んだ言葉の文化として大切にしたいものです。
「釧路のマチのコト語り」を発刊直後に発売元に電話をかけて購入した私ではありますが、一字一句読み込むような真面目な読者でなく、申し訳なく思っています。
時折のブログにも登場する『致知』誌も、小松様にあやかろうと何年間か購読しましたが、時間をつくる努力も集中力もない私は、「もう届いたか、ひと月って速いな」で終わっています。
会がなければ同士で集まって作ってしまいましょう(笑)