北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

地方と高速道路

2018-05-16 23:43:57 | Weblog

 

 高速道路整備促進期成会の総会に出席しました。

 会場を埋めた多くの関係者は、地方自治体の方たちや建設系、舗装系の会社など。

 総会は型通りに原案を可決して終了。これからの一年間も、地域からの声を要望として中央に上げてください。

 それはそれとして、総会の後でお三方によるミニ鼎談があり、「地方と高速道路」というテーマで面白いお話が聞けました。

 登場者はいつもの小磯修二先生と北海道開発局の和泉晶裕局長、そして東京工大研究員の山田菊子さん。

 小磯先生からは、「昔釧路公立大学にいたときに、釧路へ高速道路を伸ばす意義について理屈付けをすることが求められました。そのときに調べに調べていきあたったのが、なんと昭和32年の国土開発縦貫自動車道建設法という、高速道路の予定路線を定める法律があることでした。その図面もなかなかみつからなくて、国立国会図書館まで探しに行ってついにみつけた。
 そうして『国土軸となる高速道路整備をする意義は昔から国土論としてあったのだ』という論を立てて釧路までの高速道路の意義を説明して歩いたところ、中央官庁の方も『いままでのただ欲しい、という要望と毛色が違う』というのでずいぶん興味を持って聞いてくれた。
 つまり、地方の声と主張はしっかりとやろうという事なのだと思う」という話題提供。

 それを受けて和泉局長からは、「中央の人たちって、北海道で高速道路を作ることは、貧乏なところに道路を作っているというイメージを持っているようだ。
 しかし、市町村別全国所得額順位というのがあって、全国の100位以内の町村がどこかという事を地図で示してみると、ここ最近、北海道内の町村ではオホーツクの海産物の産地などを中心に100位の常連自治体が20個ほどある。
 ところが全国で100位以内に入っているような自治体は三大都市圏の周辺都市しかない。そんな中北海道の自治体がちゃんと入っているというのは、税金を納めているという事だし、いかにポテンシャルが高いかということだが、中央の人たちはほとんど知らない。
 そういうことをしっかりと中央で発信してほしい」という、北海道の価値をちゃんと伝えてほしい、というメッセージがありました。

 最後の山田さんは、いわゆる女性土木技術者のさきがけのような世代。

 彼女からのメッセージは、「自分は大都市から人のほとんどいないアメリカの地方都市、そして北海道までいろいろなところに住んだ経験があるが、北海道では最初、冬にタイヤを替えるという事すら知らなくて、雪道運転がとても怖かった。
 でも北海道ではゆっくり走っても煽られないとか、追い越しができるところでは勝手に追い越していってくれる文化があるとか、北海道ならではの道路文化、運転文化をもっとちゃんと発信すると、海外からの観光客や移住者にとってもハンデが消えるのではないか」というもの。
 女性ならではの視点かもしれません。

 時間が短くてちょっと残念でしたが、興味深い話題がいろいろと訊けて有意義な時間でした。

 北海道の高速道路の必要性を、ただ「欲しい」のではなく、一人一人がちゃんと語れるような地道な積み上げが必要ですね。

 がんばりましょう。

コメント
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