駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇雪組『BONNIE&CLYDE』

2023年03月06日 | 観劇記/タイトルは行
 御園座、2023年2月16日11時、16時、28日11時。

 1934年アメリカ、ルイジアナ州ビエンビル。歴史的な大恐慌の波に呑まれたアメリカで、犯罪者でありながらも民衆のヒーローとなった連続強盗殺人犯、クライド・バロウ(彩風咲奈)とボニー・パーカー(夢白あや)が弾丸の雨に散った。ふたりがまだ少年、少女だったころ、貧困に喘ぐ暮らしをしながらも、クライドはアウトロー・ヒーローに憧れ、ボニーは映画女優になる夢を持っていた。やがて強盗を繰り返した罪で投獄されたクライドは、兄バック(和希そら)とともに脱獄を成功させ、ウェイトレスをしていたボニーと逃亡中に出会う。ボニーの車を修理しながら、クライドはボニーに、自動車泥棒の被害者になるか自分と一緒にドライブするか、と問うが…
 脚本/イヴァン・メンチェル、作詞/ドン・ブラック、音楽/フランク・ワイルドホーン、潤色・演出/大野拓史、音楽監督・編曲/高橋恵、音楽指揮/御崎恵、振付/平澤智。2006年サンディエゴ初演、11年にはブロードウェイで上演されたミュージカル。全二幕。
 雪組新トップコンビのプレお披露目公演。

 ブロードウェイではあまり評判が良くなくて、早々にクローズしたんだそうですね。日本初演は約十年前にハマメグさんとマリオくんで、だったそうで私は観られていません。というかその当時だとしてもハマメグはボニーではなくボニーのママだろう、そして『ガイズ』のときなんかにも思ったけれどマリオもニンじゃないだろう…申し訳ないけどセンスないキャスティングだなー、としか言いようがありません。イヤ当時大好評だったならすみません…でもそうじゃなかったから再演もなく、その後宝塚に権利が売られることになったのよね?とも思うのでした。ただ、上演台本や歌詞はこのときのものを使用しているのかな?という感じはしました。プログラムにそうした記載がないので、もしそうなんだとしたらそれはよくないぞ歌劇団!とは言いたいです。
 もちろん、全体に大野先生の手が細かく入っているだろうことは察せられて、それはオリジナルでもないのにプログラムの登場人物紹介コラムがあのボリュームになっていることからもわかります。現代に、日本で、そして宝塚歌劇で上演するにあたって、すごくデリケートな取捨選択をしたのだろう、それでこの良き仕上がりになったのだろう、とは思いました。
 何よりニューヒロイン・夢白ちゃんの良さ、魅力、素晴らしさが爆裂していて、客席に夢白ボニーの女が量産されていたのがとても良きでした。宙組時代から、というか組配属されてすぐくらいでもう『神土地』新公ヒロイン(ゆうりちゃんはトップ娘役ではなかったので、これもヒロインカウントされていないのかもしれませんが)に抜擢されたころから見守ってきた身としては、美人だけど細すぎるせいもあってややエキセントリックな美女に見えるきらいもあるので、ほわほわまろやかなトップ娘役像を望む層にはウケないかもしれない、とかこのシャープでモダンな持ち味がハマる役柄は限られるかもしれない、とか歌はフツーっつーか別に上手かないなとかまあ勝手にいろいろ心配してきたのですが、何回かバウヒロもこなして娘役力をつけてきて、また不健康っぽい細さではなくメリハリのある娘役ボディにしてきていて、いいぞいいぞとワクワクもしていました。そこへこんなに似合うお役でトップお披露目ができて、本当に嬉しいです。メイクもヘアスタイルもアクセサリーもさらにもっと可愛く綺麗にできると思うけれど、まずは合格点だと思うし、クライド&ボニーではなくあくまでボニー&クライドなのである、ということに説得力を持たせられる対等っぷり、なんならクライドの方がよほどお子ちゃまで尻に敷かれてそうな感じ、でもちゃんとラブラブな感じが醸し出せていて、上々の新トップコンビ・デビューとなったと思いました。そのことがまずめでたいし、寿ぎたいです。
 作品としても、みんな大好き『凍てついた明日』がありながらも当然ながら違うキャラクター像、違うストーリーの切り出し方なのですが、ダークすぎず、お洒落ですがすがしいピカレスク・ロマンになっていたと思います。そらやひまり、あすくんなど役者が揃ったのもよかったと思いました。複数回観てまったく飽きなかったし、もう数回観たかったです。無事の完走、本当におめでとうございました。

 咲ちゃんは研2で『凍てついた~』に出ていたんだそうですね。私は何度も言っていますが『はじ愛』なんかのグレてスネたキャラが印象深く、ひらめとやった三作もいいっちゃいいんだけどそれより『ロジェ』とか『マリポーサ』みたいなスーツものの渋い正塚ロマンみたいなものの方が似合うのでは…とずっと思っていたので、今回は別に渋いとか暗いとかシリアスって感じではあまりありませんでしたが、やはりこういう脛に傷持つアウトローみたいなお役が似合って素敵だぞ、と感心しました。まあだいもんからこっち、雪組の伝統芸でもあるしね(笑)。
 どこまで史実なのかは知りませんが、刑務所でレイプされて初殺人、脱獄…というのはかなりハードですよね。でも宝塚版だから、とかでヘンにカットされなくてよかったと思いました。扇情的に描いたり露悪的に描いたりはしていなくて、台詞や歌詞に出てくるだけで加害者が登場しないこと、なのでクライドの殺人も鉄パイプを振るって暴れる彼を赤い照明が染めるだけで見せたのが、抑制が効いていていいと思いました。
 貧すれば鈍する、というのは確かにあって、「♪借金あっても仕事はない、それでもここは希望の国アメリカ」とやや揶揄するように歌われるのですが、貧困や教育、福祉、行政の不備が原因で当時の犯罪率が上昇していたのは確かでしょう。もちろん貧しくてもだからといって盗んでいいわけではない、でも人はやはり不当な扱いには反発するしだったらこっちも、となるものです。クライドも当初は真面目に働いていたのでしょう、しかし盗難事件が起きたときに疑われ、客の目の前で身体検査されるという屈辱を受け、グレてしまったわけです。その怒りはある種正当なもので、責められないと思う。そして神様はそうしたことをいちいち救ってはくれないのでした…
 クライドの運転技術がものすごかったこと、自動車の技術革新が日進月歩でどんどんスピードあるマシンになっていったことは、今で言うと要するに若者がハッカーになって他人の口座から金を引き出して稼ぐような、そういう「最先端の技術の悪用」だったのでしょうね。人は誰でも、男子は特に、「なんかすげぇでけぇことをやって世間を驚かせてみたい」みたいな幼稚な望みを一度は持つものかと思いますが、クライドはビリー・ザ・キッドに憧れてガンマンごっこをしていたころから死ぬまでずっと、それで突っ走ってしまったのでしょう…
 そんな幼さ、愚かさはやはりリアル男優にやられると「ケッ」となりそうなものですが、宝塚歌劇の男役がやると、そして咲ちゃんがやると、「もう、しょうがないなあ…好きっ!」って愛嬌になっちゃうんだから卑怯なものです。長い脚で、でかい図体で、三白眼で、捨てられた子犬みたいで、すがりつかれたらそらボニーじゃなくても引きずられようというものです。
 あ、でも、これは咲ちゃんのせいじゃないけど、プログラムの表紙はボニーとのツーショットしてくれよ、とは思いました。せめて、中にあった、歌詞にもあった空っぽの助手席にボニーの存在を思わせるようなショットにするとかしてくれないと、この作品にふさわしくないじゃん、と思いました。宝塚歌劇としてはプログラムはトップスターのピン、って決まりがあるのかもしれないけどさ、作品ありきでしょうやはり。タイトルロールの片方がいないなんておかしいよ、プンプン。

 かつてはウメちゃんなんかもかなりモダンな持ち味のトップ娘役さんだったかと思いますが(そして私は当時わりとそれゆえに苦手にしていた…)、夢白ちゃんはヨロメロしたタイプのヒロインもやればできるし似合わないこともないとは思うのです。でも今回のボニー、本当によかった。バッキリとビビッドで艶やかで華やかで強く、潔く、美しい。歌も芝居歌として素晴らしかったと思いました。咲ちゃんとの映りもいい。学年差はけっこうあるしいわゆる後添いではあるんだけれど、臆せずガツンと芝居ができていて、上々でした。
 何よりボニーのキャラがいいよねえ、クララ・ボウ(菜乃葉みと)みたいな女優に憧れる一方で、詩人なら誰あたりを目標にしていたのでしょう…即学がある、ということにはならないかもしれないけれど、彼女のこの聡明さ、自分たちを客観視できる視点はクライドにはもちろんなく、だからこそクライドに尊重されもしたのだろうし、彼らの活動(?)を救っていた部分もあるのではないでしょうか。でも強盗に入った先で求められれば嬉しくてサインしちゃうミーハーさと尻軽さがあるんだけれど、それもいい(笑)。彼女の詩は多少は残っているのかしら、どんなものだったのかしら、箸棒だったのかしらそれとも多少は見どころがあったのかしらん…まあ少々の美貌と知性では女性が這い上がるにはしんどい泥沼に生まれ育ってしまったのが運の尽きで、ボニーとしても他に生きようがなかったのでしょう。お話の流れとして、クライドの悪事にあっさり荷担するのではなく、女優になるためにも自分の手は汚せないと一線を引こうとしたり、一度は別れようとしたりするのもとてもいいなと思いました。人間っぽいし、ありそうだし。でも戻ってきちゃう、それもまた人間だもの。でもクライドに手を引かれてしぶしぶついていったのに次の場面ではノリノリだったところは(一幕ラストかな?)、ややトートツに感じましたが…
 ボニーもクライドも家族思いでもあり、特に親にずっと気を遣っているところは要するに彼らは本当にまだ子供だったんだな、と思わせられました。せつない…でもこうとしか生きられなかった子供たち、もちろん自分たち自身の選択の結果なんだけれどそれでもこう生きるように強いられた、そしてそのまま死ぬべく追いつめられた子供たちの哀れさが、厳然とありました。もちろん彼らは何人も人を殺していて、凶悪な犯罪者であり同情の余地はない。それはちゃんとそう描かれていて、でもじゃあそれ以外の人々がみんな善良でなんら恥ずべきところのない人間ばかりだったかというとそうではなくて、ここであすくんのやたら歌が上手い、だからこそ胡散臭い牧師(久城あす)の存在なんかが効いてくる…よくできているなと思いました。もちろん欧米と、キリスト教ないし宗教というものとのつきあい方がかなり違う日本でのこのあたりの受け取られ方はかなり違うものなのかもしれませんが、私はとてもおもしろく感じました。やはりちゃんと宗教への批判の視線があるのでは、と感じたんですよね。牧師ももちろん炊き出しとかしているんだけれど、それで本当に誰かを救っているのか?とかね。一方で、どんなに貧しくボロボロでも、祈ることで神にすがりそれが心の支えとなるなら、やはりそれは幸せなことなのかもしれない、とかね…
 冒頭が蜂の巣場面から始まるので、ラストはあえて「最後のドライブ」へのお洒落な旅立ち、で終わっている物語ですが、暗転のあとに銃声のSEを入れてもいいのでは?とかは思ったかな。宝塚はフィナーレがあるのでどのみち強制的に気分が変えられるので、しんどすぎるということはない気もしたので。外部でやるとそのまますぐラインナップなんですよね? それだと…どうでしょうね?
 まあでも素敵なラストだなとは思いました。やけくそになって突っ込んでいって自殺みたいな死に方、というのを見せられても鼻白みますしね。でも彼らはある種幸せだったんだろうなあ、とは思いました。どんなにラブラブなカップルでも、平穏に生きていれば、相手に看取られることはあっても要するに死ぬときはひとりです。同じ死を死ぬことはできない。でもこのふたりにはそれができたんだな、と思えたからです。例えばブランチにはそれは叶わなかったことなのですから…
 クライドが車を修理している間、ボニーは湖で水浴びでもしていたんでしょうか、だからあんなしどけない姿だったのかしらん。事後って感じはしなかったんですよね、そのあとのクライドの台詞からしても。
 その後、カッとなって手を上げようとしたクライドを引っぱたき返して、「これが最後よ、二度目はないわ」と言い放つボニー、ホントよかったなあ。当時、男性の女性への暴力は暴力だなんて全然認識されていない日常茶飯事だったと思いますが、ボニーはそれを許さないんだよね、すごくいい。お葬式から始まるけれど、父親が進取の精神のある紳士だったのかもしれません。
 あとはクライドの帰りを寝て待っているときのブルーのスリップ姿がよかったなー、細いのに胸があって色っぽいのに清潔で…ボニーを爛れた女にしていない夢白ちゃんの素敵さを痛感しました。

 そらは、クライドの兄バック(和希そら)。ちゃんと咲ちゃんの兄に見えるんだからホントたいしたものです。あと毎度言うけど、何度でも言うけどホントええ声!
 同性の兄弟は、上を見て下が要領のいいちゃっかり者に育つことがあるけれど、ここは弟のやんちゃぶりを見て兄はセーブする側、サポートする側に回り、少し早く大人になったのではないかな、とも思いました。ブランチ(野々花ひまり)とどう出会いどんな恋愛をしてどう結婚に至ったかは描かれていないんだけれど、たとえばクライドにはそんなメは全然なかったわけでさ。思うに、バックならバイト先で不当に疑われて客の前で身体検査をされても我慢できたのかもしれません。でもクライドにはそれができなかったし、そういうクライドを「走り抜け!」と鼓舞し守り支えるバックだった、そういう兄弟だったということなのでしょう。だからブランチとの家庭に納まりきれなかった…悲しい、せつない。
 最後の絶命芸は本当に素晴らしかったです。なんかホントちゃんと肺とかに穴が開いちゃった人の苦しげな呼吸で、でも絶え絶えに言う台詞がちゃんと聞き取れる。すごいです…

 そしてその妻ブランチのひまりが本当によかった、陰のMVPと言っていいんじゃないかと思いました。美容師として自立し家計を支え家庭を保ち、夫を愛し教会に通い町の人々とも交流し、つましく心清らかに生きるけなげな女性、そして夜はアツい(笑)。まあそこはともかく、観客に近い、感情移入するとしたらここ、というキャラクターを嫌味なく演じていて、正しい地点はここだよ、と観客に明示する重要なポジションをきちんとこなしていたと思いました。でも、クライドたちの犯罪に巻き込まれていってしまう…というか自分で追っかけていっちゃうんだもんね、それが彼女の選択だったのです。せつない…
 そらの絶命芸と呼応する絶叫芸が素晴らしすぎました。すごく上手くやっていて、あれは絶対に喉をつぶさない絶叫なんですよ。歌も本当によかった。ボニーと歌う「愛する人は選べない」の良さは特筆すべきでしょう、そもそも女性ふたりのデュエットがあまりないということを別にしても。せつせつと迫る、女性の絶唱でした。
 夢白ちゃんが細くてシャープなのに対して、ひまりもここ数年でぐっと痩せましたがそれでも顔は丸いしいい意味でのまろやかさがあるので本当にいい感じの人妻感があるのも、良き対比でした。いい娘役さんになったよねえぇ…ずーっと好きだったけれど本当にいいお役で好演で嬉しかったです。

 三番手格はテッド(咲城けい)のさんちゃんでした。まあ正直はいちゃんの方が上手くやったろう…とは思うのですが、これはもう組のスター事情だから仕方ない。がんばれ!
 歌は課題、芝居もテクニカルな点でもの足りない気はしたけれど、こうやりたいという意志のようなものは感じたし、主役ふたりとのバランスという点ではちょうどよかったのかもしれません。
 何よりキャラクターの在り方が上手くできていて、これは大野先生によるものなのかなあ…ボニーの幼馴染みで、ボニーのことが好きで、学校でも優等生で人気者だったんだろうし今は真面目な警官でさわやかな青年で、どこに出しても恥ずかしくない存在なわけです。でも、彼にはボニーの本当の姿が見えていないし、ボニーはそもそも彼をほとんど眼中に入れていません。だから彼女はロイと結婚したわけです、でもそういう事実もテッドには全然見えていない。彼がボニーを想って歌うときに現れるのは少女ボニー(愛陽みち)です、現実とはズレがある。ボニーがたとえ彼と結婚したとしても、早晩モラハラ夫になりそうな不穏さが彼にはすでにある。相手が犯罪者だからといって、刑罰を下す権利は警官にはないのに、彼はあまりにもあっさりクライドに手を上げるからです。自分が正しいと思い込んでいる者は危うい。クライドには対等にものが言えるボニーも、テッドの妻になったらやがて言いたいことも言えなくなるに決まっているのです。
 一方で、警察側がクライドたちの逮捕に躍起になるあまりに、逮捕どころか射殺ありきであれこれ手配し出す狂気を見せ出すと、ボニーを思ってというのはあるにせよ彼らを踏み留まらせようとするテッドは唯一まともな人に見えるようになります。その逆転がまた恐ろしい…そういう普通さ、善良さ、それ故のもろさや恐ろしさはさんちゃんがやるから出たかな、と感じる部分が私はありました。あとはやはり様子がいいので、そこも利点だったかな。はいいちゃんのバド(眞ノ宮るい)もめっちゃちょうどよくてホント上手いな、とは思わせられたんですけれどね。

 ボニーの母親エマ(杏野このみ)もよかったなあ。美人で、ボニーの美貌は母親譲りなんだなとわかりやすかったし、プログラムではお針子となっていたけれどもっと違うタイプの職業婦人に見えました。でも困窮の中で女手ひとつで娘を育てて愛はあっても余裕はなく、自分の暮らしを立てるだけできゅうきゅうとしているのはよく表れていました。娘の幸せを願っているし娘のことを理解していないわけではないけれど…というすれ違いがまたせつなかったです。ボニーもママ、ママと言ってせっせと帰郷するんですけどねえ…あんこちゃんのお芝居にこれまであまり注目したことがなかったので(なんかいつも貴婦人その2みたいなのをやらされがちだったと思うし)、佇まいといいすごくよくて感心しました。
 クライドの母親キャミー(沙羅アンナ)は逆に全然垢抜けていない様子で、ここは父親(天月翼)もいるのに無口すぎて今ひとつ役に立っていないような感じで、ああこういう夫婦いるよそらここの子供もつらいよ、ってのがよく出ていていい塩梅でした。
 歌上手で知られる愛陽みちが少女ボニーをきっちり務めて、少年クライド(夢翔みわ)はまあフツーに見えたけど少年バック(希翠那音)がそらそっくりだったのには仰天しました。
 ブランチの美容院の常連客がともかと有栖ちゃん、そして愛空みなみちゃんでこれがもうめっかわでガン見でした。ガールズでも可愛い子がいる!となるとみなみちゃんでしたはーカワイイ。イヤ単に好みなんだと思うんですけどホント識別できるようになりました、次の本公演でもがんばって探したい。
 というかボニーやクライドの夢や理想の象徴として出てくるガールズやガンマンは、いかにもミュージカルだなーと感じられて私は大好きだったのですが、なんと宝塚オリジナルで下級生の出番のために捻出されたもののようですね。びっくりですさすがです大野先生…!
 りーしゃや桜路くんが毎度いい仕事をしてくれるのは頼もしいですね。バロウギャングではかせきょーがつい口滑らしちゃうダメっ子キャラをやっていて、愛嬌があって好感持てました。聖海くんは顔に癖があるから見分けがついたけど、あとはキャラ立ちしていなかったかな…
 でも銀行強盗のガヤ芝居なんかも含めて、全員に少しずつでも台詞があったような…? なので厚みある芝居になっていたのもとてもよかったです。

 フィナーレもたっぷりめでお洒落で素敵でした。娘役たちにそら、そこにひまりが加わり、次は男役に囲まれる夢白ちゃん、そらが抜けてみんながカップルになるとひまりが上手でひとりで待っていたのもよかったです。そして咲ちゃんと夢白ちゃん、そらとひまりのカップルができあがってみんなで総踊りになる…良きでした。前後を忘れましたが男役群舞も粋でした。
 私は何故か『凍てついた明日』を初演も再演も生で観ていないので、「ブルース・レクイエム」にも思い入れはありませんがいい曲だとは思うし、愛されていること大事にされていることは知っています。荻田先生は退団してしまったけれど、こうして歌がフィナーレに使用されること、スカステの番組でトウコさんをゲストに呼んでまでこの歌を歌ったそらが歌い新トップコンビがデュエダンを踊ったこと…すごく素敵だと思いました。
 生オケが二階奥にいるセット(装置/木戸真梨乃)もとてもよかったです。ときどき月がかかるのもとても素敵でした。
 ラインナップもお洒落で、最後に咲ちゃんが車に乗って出てくるのもよかったし、そこに夢白ちゃんが助手席に乗ってそらが後部シートに腰掛けて、幕の降り際にはひまりもそばに寄って立ち、みんなで手を振って終わったのが本当に嬉しかったです。場面写真にもなりました、ありがたや…
 配信もあったし、権利関係はそこまでうるさくなく、ちゃんとスカステ放送や円盤化もできそうなのかな? 作品として根付くと素敵だなと思いました。良きものを観ました。次の本公演も超絶楽しみです!!!






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宝塚歌劇雪組『海辺のストル... | トップ | 柚木麻子『マジカルグランマ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観劇記/タイトルは行」カテゴリの最新記事