駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『トスカ』

2021年02月01日 | 観劇記/タイトルた行
 新国立劇場、2021年1月31日14時。

 原作/ヴィクトリアン・サルドゥ、台本/ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ、作曲/ジャコモ・プッチーニ。
 指揮/ダニエレ・カッレガーリ、演出/アントネッロ・マダウ=ディアツ、再演演出/田口道子、美術/川口直次、衣裳/ピエール・ルチアーノ・カヴァロッティ、管弦楽/東京交響楽団。
 トスカ/キアーラ・イゾットン、カヴァラドッシ/フランチェスコ・メーリ、スカルピア/ダリオ・ソラーリ、アンジェロッティ/久保田真澄。全3幕。

 以前観たものでは、こちらなど。
 オペラってわりと装置がその幕の間ずっとそのまんま、なイメージがあったのですが、前回の『こうもり』も今回の1、3幕もすごくカッコ良く変化して、「おおぉ!」となりました。イヤそこかよ、って感想ですみません、素人なもので…
 でも有名なアリアがいずれも素晴らしく、てか歌がすべて本当に良くて、お話はベタベタでわかりやすく音楽はドラマチックで、とても楽しくエモく観てしまいました。
 私はかつて『動物のお医者さん』でストーリーを押さえたクチなので(笑)、2幕は空気椅子とか首締めとか思い出してちょっとわなわなしかけましたし、トスカが蝋燭持ってきたときはホント笑い出しそうになっちゃいましたが…銃殺隊はちゃんと退場していてよかったです。というか、トスカが身を投げた先を何人かが呆然と覗きに行くのですが、その中の兵士のひとりがゆっくりと帽子を取って胸に捧げ、そこに幕が下りたんですよね。泣いてしまいました…
 しかしスカルピア、「嫌がる女をものにするのが楽しい」とか歌っちゃって、ホント極悪非道な役だな。でもやるならカヴァラドッシより楽しそう、とも思ってしまいました。トスカもホントやきもち焼きで口やかましくて困った女なんですけど、いじらしくて可愛い人ですよね。そしてこれもナポレオン時代の物語だったのだなあ…
 トスカの「歌に生き、恋に生き」は本当に低音も高音もピアノもフォルテもそれはそれは素晴らしく、人間の声ってすごい…!と震えました。
 来日公演がまだまだ難しい状況でしょうが、また好きな演目と機会を見つけてオペラやバレエも観ていきたいなと思いました。会場もよく埋まっていましたし、芸術はちゃんと愛されているし必要とされているんだよ、とひしひしと感じた1月の終わりでした。


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