駒子の備忘録

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ウクライナ国立歌劇場オペラ『トスカ』

2010年02月09日 | 観劇記/タイトルた行
 新国立劇場、2007年9月13日ソワレ。

 1800年ローマ、聖アンドレア・デッラ・ヴァッレ教会に、脱獄囚アンジェロッティ(セルヒィ・コヴニル)が身を隠す。教会でマリアの絵を制作中の画家カヴァラドッシ(ヴァレーリイ・ベンデロウ)は彼の友人で、逃亡に協力しようとするが、そこへトスカ(カテリーナ・ストラシチェンコ)がやってくる。彼女はローマで一番人気のあるソプラノ歌手で、信仰心も篤いが気性も激しい、カヴァラドッシの恋人である…作曲/ジャコモ・プッチーニ、台本/ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ、原作/ヴィクトリアン・サルドゥ。指揮・演出/ミコラ・ジャジューラ。

 アンジェロッティがすらりと背が高くてたいそう素敵だったもので、すぐに処刑されて出てこなくなっちゃうのが残念でした。
 トスカも美人で長身で、観ていて大満足。もちろん生で聴く「歌に生き、恋に生き」はそれはそれは素晴らしかったです。
 一方のカヴァラドッシは、「星は光りぬ」も拍手の入れにくい流れになっているし、トスカと並ぶと身長が同じかむしろ低いくらいで見劣りがしてしまうのが残念でした。
 大詰め、カーテンが降りきる前に身動きし始めたのは止めてもらいたかったわ!
 いやらしく素晴らしい敵役だったスカルピア(ロマン・マイボロダー)がとてもとてもよかったです。

 思うにカヴァラドッシは、友人を命がけでかくまうし正しい政治的思想を持った好青年なんでしょうが、物語の最初からトスカとすでに恋仲なので、その魅力が語られにくい、演じにくいキャラクターになってしまっているといえるでしょう。
 対するスカルピアはその悪さを表現する場がたっぷりあるわけで、役としてはこちらの方がしどころがあって楽しいくらいなんじゃないですかね。第二幕はほぼ全編見せ場と言っていいくらいに緊迫していて、とてもとてもおもしろかったです。
 しかしお話としては本当にベタであることよ…これこそオペラの基本ではありましょう。楽しかったです。
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