駒子の備忘録

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アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ『熊と踊れ』(ハヤカワ文庫)全2巻

2017年01月26日 | 乱読記/書名か行
 凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人兄弟。独立した彼らは軍の倉庫からひそかに大量の武器を入手し、史上例のない銀行強盗計画を決行する。市警のブロンクス警部は事件解決に執念を燃やすが…スウェーデンを震撼させた、実際の事件をモデルにした迫真のミステリ。

 暴力は連鎖する、とはよく言われますが、痛ましく、でも同じ家庭に育っても生来の性質やいろんな条件での成育が違って、その連鎖から逃れられることもあるし、でも家族であることからは逃れきれない部分もあってまた痛ましくもあり…と、終始眉を寄せながら読みました。みんな幸せになってほしいんだけどなあ…
 実際の事件は大晦日にあったものが、小説ではクリスマスに変更されていて、欧米でのクリスマスというものの存在や意味の大きさにも心打たれました。
 ちょっと突き放したような幕切れもいい。刑事の側に、刑事の家族にどんなドラマがあったのかも全部見せないところもいい。男女のすれ違いの描き方もいい。
 北欧ミステリ、元気ですね。他の作品も読んでみたいと思います。

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