駒子の備忘録

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宝塚歌劇雪組『琥珀色の雨にぬれて/“D”ramatic S!』

2017年08月28日 | 観劇記/タイトルか行
 梅田芸術劇場、2017年8月27日16時半。

 1922年、秋のある朝。パリ郊外にあるフォンテンブローの森を散策していたクロード・ドゥ・ベルナール公爵(望海風斗)は、神秘的な美しさを湛え大勢の紳士淑女を相手に自由に振る舞うひとりの女性と出会い、一瞬にして惹きつけられる。森の妖精のように軽やかな足取りで去っていく彼女をうっとり見送るクロードに、ジゴロのルイ・バランタン(彩凪翔)が声をかけ、女性の正体を明かす。シャロン・カザティ(真彩希帆)、絵や写真のモデルをしたりドレスの広告塔を務めるマヌカンである。ルイもまた密かにシャロンに想いを寄せていて、公爵であるクロードと彼女とでは生きる世界が違うとクロードに忠告する。だがクロードは反論し…
 作/柴田侑宏、演出/正塚晴彦、作曲・編曲/高橋城、吉田優子、寺田瀧雄。1984年の初演以来、何度も再演を重ねた四人の男女が織りなす恋愛心理劇。新生雪組のプレお披露目公演。

 ペイさんには間に合っていなくて、チャーリーのときはオサ代役版を観ています。そのときの感想はこちら、星組全ツ版の感想はこちら
 宝塚歌劇オリジナル作品として五指に入る好きな作品、高く評価している作品です。身分は高いが純朴な男と、身分はないが社交界の高嶺の女の悲劇のメロドラマ…どパターンですよ、でも大好き。そして素晴らしい四角関係構造、大好き。
 レトロだし感傷的だとも思いますが、特に全ツに向いている演目だとも思います。現代的な持ち味の生徒が多くなるとハマる役者が少なくなるかもしれませんが、技量として無理矢理育ててでも再演を続けていってほしい作品です。型があると言ってもいいくらい、ある種様式的なキャラクターと台詞が全部脚本にあるので、きっちり演じればいいだけの気もしますしね。もちろんそれでも出てしまうのが演じる生徒の個性であり特徴なのでしょうか…最近ならまぁ様で観たいと思っていた作品でした。もちろんだいもんにも似合うと思っていました。
 二番手時代は濃いギラギラした役で輝いてみせていましたが、トップスターとなると白い役ばかり回ってきがちなものです。でも似合うし十分やりこなせると思っていたんですよね。その期待どおりの、生真面目で優しくて穏やかでまっすぐで、でも困った坊やなクロードでした。
 プロローグはイメージのタンゴみたいなものだから別として、お話が始まってすぐ、本筋の何年後かのお店の場面で、思い出深い雨に会ってお店の女の子相手に似合わぬ軽口を叩くその様子が、ちょっと歳を取っておちついていて、なのにふいにはしゃいでしまったその感じがもう素晴らしくクロードで、キタコレ!ときゅんとなりました。そして歌われる主題歌の甘さ、せつなさ、奥深さよ…! だいもんのこの歌声は本当に武器ですよねえ、聴き入りました。
 そこからの、フォンテンブローでのほややんとした若造っぷりからルイに対するフェアな態度が素晴らしくクロードでしたし、ことにいいなと思ったのがその次の場面で、姉ソフィー(早花まこ)と婚約者フランソワーズ(星南のぞみ)とその兄ミッシェル(真那春人)が出てきて観客にいろいろと状況が提示されていく中で、クロードのほややんっぷりにさざ波のような笑いが客席から沸いたこと。そう、そういうちょっとしたユーモラスさもこの作品の大事なエッセンスだと思うんですよね。だいもんが生真面目で不器用で、でも優しくて温かな人柄のクロードをきっちり演じてみせたから、それが伝わったんだと思います。
 そのまま、最後まで、まっすぐで馬鹿正直で、お子さまなままで…それで、どうにもならずに、恋は終わるのでした。そういう物語なのだから、本当に正解です。
 一方のヒロインのきーちゃん、これまた私はぜんぜん心配していませんでした。初演の若葉ひろみの素晴らしさは語り継がれていますし、ミドリも素晴らしかった。でもきーちゃんもできると思っていました。学年は若いかもしれないけれど、いい声をしているし芝居心があるし、可愛いだけの娘役さんではないと私は思っているので(むしろちょっと天然なところがあるので可愛いだけの役はかえって危ないと思っている)、むしろこういうきっちり作り込まれたキャラクターにハマってみせてくれるだろうと期待していたのです。その期待に応え、でもちょっと予想を裏切られるような、おもしろいシャロンだったと私は思いました。
 なんといっても歌が上手すぎて、すごくリリカルで本当に妖精のようで、そういう意味ではシャロンの一面であるはずの毒婦の面がほとんどなさそうな女性になっているんですけれど、でもやっぱりちゃんとシャロンだったと思いました。生まれ育ちや重ねてしまった人生経験のせいで冷めていたり皮肉っぽくなっていたりどうかするとちょっとくたびれているときもある…のがもしかしたら本来のシャロン像なのかもしれませんが、きーちゃんのシャロンは、もっと軽やかに手に入らないものはあきらめつつ今できることを楽しんでいるような、ちょっと浮き世離れして見える女性で、そしてそれはそれでクロードにとって魅力的かつ難物で、そりゃうまくいかないだろうという不穏な空気が最初からうっすらちゃんと醸し出されるような、そんなふうに見えました。おもしろかったなあ。
 青列車の展望台場面で、クロードがオリエント急行で一緒にマジョレ湖に行こうと言ってくれたとき、シャロンは本当に嬉しかったと思うけれど、でもまだただそれだけで、だからといってクロードに本気で恋したわけではないのではないかしらん…と、私には思えました。それくらい浮いていた。エヴァ(沙月愛奈)はシャロンは公爵に惚れた、みたいなことをその前にすでに言ってはいますが…ニースのホテルでフランソワーズに喧嘩売られてカチンときてやり返したときも、プライドとか自尊心のためであってクロードとの恋のためではないように見えました。だから、実は私にはナギショーのルイには崩れた色気みたいなものが足りなくてちょっと弱いかなと思ったのですが、ここでシャロンがそんなルイに流されるようにして駆け落ちしてしまうのがわりと納得できたのです。ちょうどよかった、というか。
 そんなルイとマジョレ湖に行かなかったのは、単にお金がなかっただけではあるまいか(笑)。クロードと再会したときも驚いたし動揺しはしただろうけれど、クロードのように「忘れたことなどなかった」ということはないように思えたし、それでも訪ねられれば受け入れてしまう、盛り上がってしまう…というふうに見えました。
 シャロンが本気じゃないのにクロードかわいそう、って見てる、という意味ではなくて、盛り上がっているふたりにもそういう温度差みたいなものはあるものだしそれでも成立するのが恋愛だったりするし、そういうこととその恋が実るかどうかは別問題なので、お話の展開には支障がなかったし、シャロンが変にかわいそうにもまたひどい女にも見えなくて最終的にはちょっと救われるかな、と思ったのです。だってクロードには、もしかしたらフランソワーズとの家庭もミッシェルとの仕事もなくすのかもしれないけれど、でも家柄とか財産とか人脈とか、人柄とか技能とかは変わらず持っていられるわけじゃないですか。でもシャロンにはそういったものはまったくない、若さと美貌しか持っていないわけですよ。それはもちろん彼女自身のせいなのかもしれないけれど、要するに彼女の方が今後厳しい人生を送るのであろうことは想像に難くないわけです。だからこの物語は、クロードが主人公だしクロードかわいそうねシャロンってひどい女ねって終わりがちだけれど、そうじゃなくて、それでもたまたまうまくいかないこともあるよ、それでも愛し合っていたときの想いは本物だったんだよ…という話であるべきだと思うので、必要以上にシャロンが悪女である必要はないのかな、と今回思えて、個人的にとても新鮮に、おもしろく観たのでした。
 ルイと同様、ちょっと心配していたフランソワーズは、登場場面こそオイオイだいぶ若いな少女っぽいな幼いな、そういう役作りなの?それとも芝居がアレレなの?と不安になりましたが、クロードにエヴァの伝言を伝えに行く場面では屈託のある感じがなかなかよく出ていて印象として持ち直し、ニースのホテルでシャロンとやり合う場面がとてもよかったので、おおいいじゃん、となりました。でもリヨン駅の待合室に追っかけてくるくだりの芝居は、もの足りなかったかな…ううーむ、大事な役だと思うので、配役にはもう一考あってもよかったのかもしれません。美人だし踊れるし新公ヒロインもさせているし劇団が押したい娘役さんなのもわかるし場数が必要なのもわかりますけれど、全ツだとこのあたりは「えっ!?」って意外な配役がくるときもありますよね? 番手より実力、みたいな。たとえばちょっと上級生すぎるかもしれないけれどあゆみちゃんだって、やってやれないことはなかったのではなかろうか…このフランソワーズがもうちょっと強い、いい芝居ができると、全体のドラマがより濃く深くなったかもしれないので、さらに深く満足できたかもしれません。あと、歌は手に汗握りすぎました…ま、それはあゆみちゃんエヴァのソロもだけどね。ここも誰か他にいなかったの!? きゃびぃかカレンちゃんは!? これは歌の役で、あゆみちゃんはダンスの人なのでは…?
 まなはるミッシェルは、ちょっと伯爵には見えない、庶民的な気のいいあんちゃんになっていた気はしましたが、こののんきさや心の広さも貴族ゆえなのかもしれないし、ラストの「ちょっと、残念だったな」みたいな台詞に味があって、とてもよかったです。個人的に好きなキャラなんですよね、ミッシェル。
 にわにわボーモン伯爵がいい感じに胡散臭いおっさんでよかったです。クロード姉のきゃびいも手堅い。ノアーユ子爵の桜路くんもホント上手い。りーしゃのポワレがアクが強くて印象を残し、麻斗くんのコルベールは…まあ悪さを出すのはこれからかな。あとカリちゃんのフレデリークも居方がさりげなくてよかったです。
 ジゴロの中では星加くん、令嬢がたでは妃華ゆきのちゃんのキュートさにシビれました。少ない人数で、みんながんばっていましたね。
 シンプルなセット、平易ででもしっとりと含蓄のある台詞、歌謡曲めいた挿入歌、古風かもしれないけれどわかりやすく普遍的でもあるメロドラマで、全国ツアーには最適の作品なのではないでしょうか。いい旅をしてきていただきたいです。ファンを増やして、元気に帰ってくるんだよー!

 ショー・スピリットは作・演出/中村一徳。前トップコンビのサヨナラ公演のショーでしたが、新生雪組のプレお披露目公演にふさわしく船出版に上手くリメイクされ、個人的には本公演版より好きかも!?という仕上がりでした。これはファンは嬉しかったろうなあ、だいもんもきーちゃんも組子みんなも輝いていて、素晴らしかったです。
 初日のカテコのご挨拶がハクハクしていたというだいもんですが、どうしてどうして立派なトップスターっぷりでした! 歌えるし踊れることは本当に武器ですが、真ん中力、ショースター力がありますよね。花組育ちであること、雪組二番手時代に溜め込んだパワーを惜しげもなく放出している感じでした。何より楽しそうで、本当にキラッキラしていました。改めて就任おめでとうございます!
 そしてきーちゃんもパーンとしてて本当によかった! たとえばゆうみちゃんは就任当初はショーが弱かったのなとか感じたものでしたが、これまた花組生まれの星組育ちで培われたショースター力がありますね。歌は絶品、男前なウィンクも素晴らしい!
 そしてふたりの映りが本当にいい。顔の感じや体格、表情の作り方や動きのトメやキレのポイント…本当にお似合いです。デュエダンが影ソロいらずなのもおもしろいくらいでした。決して大きくないだいもんだけど、リストも素敵でした。
 舞台を降りたらどんなコンビになっていくのかな? だいもんは意外に優しくて中学生男子感があるタイプだけれど、きーちゃんにデレるのかしら? それとも飄々とスカしちゃうタイプ? きーちゃんも以前は天然でルリルリ力がないのではと危惧していましたが、最近はどうかな? サバサバ男前に立っちゃってもおもしろいかもしれないけどなー。期待しています。
 ちぎちゃんが申し子のようだったブライアント先生振り付けの場面はばっさりナギショーの場面になっていて、ホッタイ新調お衣装をもう使うんかーい!というところはありましたが、バリッとアイドルオーラを放っていてよかったです。
 サプールの場面は私は以前からちょっと楽しみ方がよくわからないでいるのですが、ちょっとブツ切れに見えていた中詰めはまなはるの場面、カリの場面、とビシッとキメるためのようにも思えてくるから不思議。たわしがロケットボーイをがんばっていて、りさちゃんロケットガールであのアクロバティックだったロケットが人数は減ってもコンセプトは踏襲していて圧巻で、でもきーちゃんセンターの娘役場面が歌を変えてまだあって、なのにまだコーヒールンバもあって、黒燕尾とデュエダンがあってもう本当に大満足でした。
 エトワールのはおりんはちょっとおへちゃなところがまたキュート。歌上手さんも上手く育てていってほしいものですね。
 これでまだ咲ちゃんがいてひとこがいてみちるちゃんがいて、まちくんがいてすわっちがいてセンアガタがいて、あーさが来てあやなが加わる…ヤダ雪組も楽しそう!とニマニマしながら帰京しました。これからも良い作品に恵まれることを祈っています。

 私が観た回ではショーからみやちゃん、れいこがいました。いい刺激になったろうなあ。だいもんの客席下りに奥ゆかしく手を振るだけのれいこちゃん、可愛かったわ…だいもんにガバッと迫られ、みやちゃんに大爆笑されてましたけど。
 月組五分割も楽しみだし、身が保ちませんね。ありがたい悲鳴が上がります…私も観るだけですが、がんばります(笑)。






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11 コメント

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Unknown (シャンシャン・大森)
2017-08-28 19:05:08
いつも楽しく拝見しております。
私は琥珀自体をはじめて観るのですが、素晴らしい観劇記でとても楽しみになりました。
木曜日まで待ちきれなくて、ソワソワしてしまいます。笑
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コメントありがとうございました (シャンシャン・大森さんへ)
2017-08-29 15:11:56
おおお、観劇前に失礼しまた。微妙にネタバレしてしまっているかもしれませんが、有名な作品ではありますしね…
期待を高められたのならよかったです。とても素敵でした!
ショーも本当にいい改変がなされていました。全ツ、楽しんできてくださいませ-!

●駒子●
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新しい船出 (とおやま)
2017-08-31 14:02:35
たびたびお邪魔します。
初日25日と26日はダブル観劇しました。

だいもんの技術には何の心配もしていませんでしたが、さすがに緊張していたなあ。
ま、客席の緊張も半端なかったけれど。

私、「ケイレブ」あたりから、りさちゃんを見直していて、今回はすごく良かったと思いました。
もちろん歌は研鑚を積む必要あると思いますが、姿は磨かれてきたし芝居にも心が感じられました。
何よりショーのロケットが素晴らしい!!!
娘役スターはああじゃなきゃ。
あと、陽向春輝くんのロケットボーイにはとっても感心しました。
劇団が押したいスター候補生がこぞって「ネモ」に振り分けられたため回ってきたチャンスですが、それを自覚した上で、力を発揮していたと思います。

最後のロケットへの掛け声は、ひとこが最後まで煮え切らなかったので(笑)、たわしの方が良いと思ったな。

この全国ツアーのメンバー、トップコンビを入れても新公主演者が男女2人ずつしかいないことにお気付きでしょうか。
そんな構成で全国を回らされた組って、あまり例がない気がしますが、そう考えると本当に組子は頑張っていると思います。
だからこそ、まなはるやカリが真ん中寄りに置かれて、若手の生徒にも活躍の場が与えられているのですから、メンバー構成に不満を持っているという訳ではありません。
生徒もやりがいがあることでしょう。
ただ、ちょっと劇団の人事が偏っているというか、行き当たりばったりと言うか…。

実は真彩希帆が苦手な私。
声はいいし歌もうまいと思うのですが…。
あのウィンクも、ものすごーく苦手で、被弾しないよう注意しているという(苦笑)
彼女に悪いところがあるとは微塵も思いませんが、トップ娘役って難しいなあ、と感じる今日この頃です。
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見てきました (シャンシャン・大森)
2017-09-01 08:02:00
先日コメントさせていただいたものです。こんにちは。
琥珀、見てきました。はじめて見る演目でしたが、駒子さんがおもしろいシャロンと仰る意味、わかった気がしました。
軽やかで、浮世離れした、いい女でしたね。あの芝居を見て、きーちゃんを応援していくことに決めました。笑
それでは、また。
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偏り… (とおやまさんへ)
2017-09-01 22:33:39
初日の空気を教えてくださってありがとうございます!
さすがに緊張感が漂っていたのですね…でも、改めましておめでとうございます!
この先も楽しみしかありません!!

ただ、振り分けの偏りは確かに「おいおい、ちょっと…」ですよね。もともと組子の数が少ないということもありますが、
新公主演の偏りとか、育成プランってものがあるの?と問い質したくなります…

そして、意外ときーちゃんが苦手という方が多いのも承知しているつもりです。
でも、相手役がお気に召さないとなかなかしんどいですよね…
上手く、新たなトップ娘役像を確立して、ファンを増やしてくれればいいなと思っています…(><)

●駒子●
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ご覧になりましたか! (シャンシャン・大森さんへ)
2017-09-01 22:38:06
シャロンは、天真爛漫なところがありつつも基本的には悪女、毒婦…
というような形で描かれることが多い役かなと思うのですが
(なのでわりと学年のいった娘役が演じてきたような)、
きーちゃんは「こういうシャロンもアリかな」と思わせてくれるような、
ちょっと変わったタイプのシャロンだったように私には思えて、
そしてそれでもちゃんとお話は成立しているしだいもんクロードとのバランスもよかったと思ったので、
楽しく観たのでした。

きーちゃんのお茶会、一度お邪魔したことがありますが、また行きたいなー。可愛かったなー。
本公演も楽しみです。

またコメントにいらしてくださいませ!

●駒子●
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Unknown (Unknown)
2017-09-03 13:36:11
駒子様
先日は自己満足なだけのコメントにもならないコメント失礼しました。
今度は純粋に『琥珀』の感想です。
衣装とかセリフとか、時代がかってるというかちょっと古ぼけた感がある気がしましたが、本当に品の良い大人の世界、大人の恋模様でした。
だからこそ、これ初演のキャストで観たい(かった)なあとも思いました。高汐巴、若葉ひろみ、大浦みずき…スクリーンでしか観れない昔の外国映画のスターのように、初舞台も知らない、スカステで中の人を若手の頃から逐一見てきたわけでもない、遠い存在のスター達の繰り広げる『琥珀』はさぞ憧れの大人の世界ムンムンであったことであろうと妄想します。
歌うまトップコンビ×琥珀、全ツにこれ以上ない組み合わせだったと思います。
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すみません (でこかっぱ)
2017-09-03 14:00:03
先ほどの投稿に名前もタイトルも忘れていました。
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憧れの初演! (でこかっぱさんへ)
2017-09-04 23:09:06
私は映像でも『琥珀』初演を見たことがないです。
ペイさんは生に間に合ってたら絶対好きだったスターさんな気がしています!
当て書きされた初演はそりゃ素晴らしかったろうと思いますし、
最近の全ツ用に簡素にされたセットじゃないセットでも
見てみたかったです…!
でも『うたかた』といい、もう本公演にはならないんだろうなあ…

私は全ツはもう行けませんが、深まるお芝居の評判が聞こえてきて、
それだけでワクワクです!

●駒子●
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琥珀色の香り (らんらん)
2017-09-08 14:46:20
初めまして。ブログ興味深く拝読しました。
私は初演を観ています。
高汐さんのクロード、若葉さんのシャロン、大浦さんのルイ、秋篠さんのフランソワーズ、それに美野さんのエヴァや但馬さんの銀行家や央さんの花屋…皆さんそれはそれは素晴らしかったです。
本当に大人の世界でした。1920年代のパリの香りが客席にまで香ってくるような、むせかえるような大人の恋の香り。
再演再再演も観ましたが、残念ながら全く及ばない出来でした。
今回も正直無理だと予想してましたが、主演のお二人は初演とは違うものの、見事に琥珀色のエッセンスを感じさせてくれました。
真面目な人が真面目な役を演じてもつまらないだろうという予想は覆えされ、本当に純粋で真面目で、だからこそ鮮烈な恋を印象付け。
まだ若い真彩さんの鈴を転がすような美声は一目で恋するにふさわしく、台詞の低めで抑揚の少ない言い回しがシャロンの心の殻を感じさせました。
素晴らしいトップコンビの誕生だと思いました。
主演2人に関しては、初演と甲乙つけ難い出来でした。
出来れば本公演で観たかったです。
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