駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

毎度の高声低声ボツ投稿

2016年03月08日 | 観劇記/タイトルさ行
 先月号に掲載されなかったのは校了に間に合わなかったからかしら、とか思っていたのですが今月号にも載っていなかったので、単にボツだったのですね(^^;)。
 確かに今読むと、もうちょっとオブラートに包まんかい!という気もしますが、でもこういうことを訴えたかったんだから仕方ない(あくまで自分に甘い私…)。せっかくなのでここに掲載しておきます。ここは私のブログですからね!(居直った)
 ぴったり1000字なところが特に気に入っています(笑)。

***

 宙組大劇場公演を元日初日より観劇しました。
 『Shakespeare』はお正月公演にふさわしい、笑いあり涙ありのハートフルなお芝居でした。ただ伝記を読まされているだけのようなつまらない偉人伝や、たわいなさすぎて子供だましの「ファミリー・ミュージカル」になってしまっていなかったので、正直言って安心しました。若き日のシェイクスピアを、まっすぐでキラッキラな青年に造形したのが勝因だったと思います。朝夏さんが爽やかに演じるこの作品のウィルは、非凡な才能に恵まれていますが、明るく純粋でちょっと世間知らずなところもある、ごく普通の青年です。社会になじめないとんがった天才でもなければ、辛気くさい芸術家肌の男でもありません。パトロンであるジョージの助言に流されたり、仕事の忙しさに流されて家族と疎遠になってしまったりする人間臭さが、かえって魅力的でした。彼が本当に必要としていたのは愛であり家族であり心の動き、ときめきであり、それがなければ彼は書けなくなってしまうのです! シェイクスピアの家庭は不仲であり、彼は多くの女性と浮き名を流した、とする説もあるようですが、この作品ではそうせず、ウィルとアンの恋物語、夫婦愛の物語に仕立てたのもよかったと思います。ジョージやその盟友たち、一座の役者たちや女王の廷臣たちなど、組子にたくさん活躍の場所が与えられていたのもよかったです。シェイクスピア作品の取り入れ方や劇中劇、メタ演劇みたいな部分もおもしろかったです。
 一方、ショー『HOT EYS!!』は『オペラ・トロピカル』以来33年ぶりの全場大階段に話題が先行しましたが、成功していたとは言いがたいかもしれません。いわゆるお立ち台が据え置きなので大階段を全面フルに使った場面はひとつもなく、平場を狭くしているだけで、幕が閉まっている時間も意外に長い。高低差を生かした振り付けもありましたが、それならセリで十分だろうという気もしました。大階段の余白を生かしてフォーメーションを変えて見せてこそ、大階段の醍醐味が生きるのかもしれません。黒燕尾の群舞がなかったのも残念でした。
 でも、組子は元気に華やかに笑顔で歌い踊り、一本立てが多い宙組ファンのショーへの渇望を癒やしてくれています。良作の再演含め、ショーの梃子入れ、レビューの復権は新世紀の課題です。ショーやレビューを上演する劇団は少ないのですから! 諸先生方、期待しています!!

***

 過去のボツ投稿についての記事は、こちらこちらこちらなど。
 も、もちろん採用していただいたこともあるんですよ…???(ToT)








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2 コメント

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Unknown (カロリィ)
2016-03-08 17:15:31
素敵です。『高声低声ボツ投稿』。
十二分に分厚いオブラートに包まれていると私は思いましたが!(笑)
この投稿を目にしていたら、声を出して笑っていたかもしれません。

あと1回貸し切り公演での観劇が残っています。
トマス・ポープを愛でに行ってきたいと思います。
返信する
ありがとうございます! (カロリィさんへ)
2016-03-09 11:47:03
恥を忍んで(?)公開した甲斐がありました。
ウケたのならよかったです!(^^)

公演は今日が中日だそうです。
可愛いポープさんを存分に愛でてきてくださいませ!

●駒子●
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