駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『ディートリッヒ』

2010年03月30日 | 観劇記/タイトルた行
 青山劇場、2010年3月18日マチネ。

 1929年、ドイツのベルリン。映画『嘆きの天使』の撮影現場では、衣装デザイナーのトラヴィス・バントン(鈴木綜馬)が駆け出しの舞台女優ディートリッヒ(和央ようか)をスターにしようと息巻いていた…演出/釜紹人、原案・作詞・訳詞/竜真知子、音楽監督・作編曲/宮崎誠。全2幕。

 残念ながら退屈しました…アーネスト・ヘミングウェイ役の横内正が誘うディートリッヒの生涯…という形なのですが、なおさら駆け足でただの羅列で何が焦点かわからず盛り上がらずドラマがない感じ。
 待望だというゲイ役をそれはそれは生き生きと楽しそうに演じている鈴木綜馬、ディートリッヒの歳の離れた女友達として歌だけを武器にしたたかに生き抜いたピアフ役の花總まり、ディートリッヒに反発しながらも同じ女優という道を選ぶ娘マリア役の麻尋えりからの好演に比べると、もしかしたらわざとなのかもしれませんが、タカちゃんの演技はなんだか上滑りしてふわふわして見えて、それがなおさらこのヒロインの本音や感情を見えづらくさせていたのかもしれません。
 せめてもっと小さな劇場でやるべき演目だったんじゃなかろうか…

 久々の舞台復帰だというハナちゃんは少しふっくらして、二の腕が人並みになっていてかえってシビれました(^^)。
 貧しい育ちの、ちょっとはすっぱな、でも本当はまっすぐな女性を過不足なく演じきっていました。歌もよかった。
 そして同じく宝塚OG、元の芸名は麻尋しゅんも、発声があざやかで水際立っていて、少女時代も成人してからもそれはそれは良かったです。舞台が引き締まりました。
 ピアフの恋人マルセル・セルダン役と振付を担当した桜木良介も素敵でした。

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