駒子の備忘録

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Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』

2011年06月11日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 オーチャートボール、2011年6月4日ソワレ。

 ロミオ/熊川哲也、ジュリエット/ロベルタ・マルケス、マキューシオ/橋本直樹、ティボルト/遅沢佑介、ベンヴォーリオ/伊坂文月、ロザライン/浅川紫織、パリス/宮尾俊太郎、キャピュレット卿/スチュアート・キャシディ、乳母/前川真由子。
 原作/ウィリアム・シェークスピア、芸術監督・演出・振付/熊川哲也、音楽/セルゲイ・プロコフィエフ、舞台美術・衣装/ヨランダ・ソナベンド。指揮/井田勝大、演奏/シアターオーケストラトーキョー。
 全2幕。

 ロザラインって原作でもそもそもキャピュレットの女なんでしたっけ…
 ロミオあんたって人は…
 それはともかく熊川くんのロミオはまっすぐでキラキラしていて誰よりも高く飛んでくるくる回るはつらつとした青年で、ナイーブだったり神経質そうな感じはまったくない役作り、という感じでした。
 それはそれで好感。
 ジュリエットは小柄でザッツ少女で、そして女優でした!
 乳母相手にかくれんぼしたりする可愛らしさ、意に沿わぬ結婚相手を押し付けられて父親に反抗する気の強さ、といったものもあらわでしたが、なんと言ってもラストの霊廟で死んだロミオを見つけてからの嘆きっぷりがものすごかった…
 絶望のあまり、神もこの世もすべて呪って死んでいったように見えました。
 そしてそれが決して醜くなかった。それくらい彼女にとって、彼と彼女にとってこの恋が真剣で絶対で唯一のもので、なんとしてでも貫き通したかったものなのだ…というのが伝わってきました。
 暴走した若者の逆恨みとか、不愉快な身勝手さ、といったものはまったく感じなかった。
 感動し共感し同情し、気持ちよく泣いて終われました。
 両家の和解シーンも、恋人たちが天上で復活するくだりもなく、ただジュリエットがロミオの死体に覆いかぶさってこと切れる、刹那的と言っていい終わり方なのですが、余韻は残り、むしろすがすがしい…という不思議さ。
 とてもよかったです。

 乳母のハートフルでユーモラスなお芝居も印象深かったです。
 キャピュレット卿が娘につい手を上げてしまったとき、ジュリエットをかばって主人の前に立ちふさがる姿には、レミちゃんの歌声が聞こえましたよ…(ToT)

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