駒子の備忘録

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『シスター・アクト』

2014年07月05日 | 観劇記/タイトルさ行
 日生劇場、2014年7月3日マチネ。

 破天荒な黒人クラブ歌手デロリス(この日は瀬奈じゅん)は殺人事件を目撃したことでマフィアのボス・カーティス(この日は大澄賢也)に命を狙われるハメになり、警察の指示でカトリック修道院に匿ってもらうが…
 音楽/アラン・メンケン、歌詞/グレン・スレイター、脚本/チェリ・シュタインケルナー&ビル・シュタインケルナー、演出/山田和也。『天使にラブ・ソングを…』のタイトルで大ヒットした映画を原作にしたミュージカル、2009年ロンドン初演、2011年ブロードウェイ上演。全2幕。

 映画は未見だったのでチケットを捕らないでいたのですが、わりに評判が良くて気になっていました。そうしたらひょんなことから行けることになっていそいそと出かけてきました。
 ダブルキャストは森公美子の回の方がチケットが売れているんだそうですね、およよよ。まあアサコもがんばっていたけれど、歌唱力とかヒロインのイメージとしてはアレかもね、ですかね。
 ともあれ楽しく観ました。石井一孝がわりと好きだし、オハラ神父の村井國夫とかもっと歌ってもらいたいくらいだったし、修道院長(鳳蘭)のツレちゃんのラスボス感たらたまりませんでした。そして初めて観ましたがラフルアー宮澤エマ、神田沙也加やソニンを観たときと同じ衝撃がありました。う・ま・い!!!
 ただ、もともとが明るく楽しいハリウッド映画だからということもあってかストーリーは単純でお芝居のパートがあまりなく、華やかな楽曲やナンバーばかりで進むのがやや大味に感じられなくもありませんでした。まあ好みかもしれませんが。
 そして終盤の台詞からすると、これはもっと、デロリスがDV男と共依存関係にあるもっとダメダメな自堕落で野放図で弱い愚かな女で、本当はもっと才能があるのに気づいていないし生かせていないし、人生に夢や希望も抱けていなくて…みたいな構造のお話だったのではないでしょうかね。でもさすがに死にたくはないから逃げ出して、逃げ込んだ教会のシスターたちと反発して、でも癒されて生き返って強くなってみんなも巻き込んで歌い出す…これはそんな再生の物語だったのではないでしょうか、あるべきニュアンスとしては。
 でもアサコのデロリスは最初っからカーティスへの愛情よりは歌手になりたい、ビッグになりたいっていう希望の方が大きい、前向きな生き生きとした女性に見えてしまっていました。それがちょっと引っかかったかな?
 機会があれば原作映画も観てみたいと思います。

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